【綾子の視線】私たちはタレントではない 本分忘れず有意義なオフに

 デイリースポーツ評論家の岡本綾子氏が、選手の心理や技術、勝負の流れなどを自身の視線でお伝えする。

  ◇  ◇

 今の時代、女子プロゴルファーのオフはとても短くなりました。11月にツアーを終え、12月はスポンサーへのお礼参りなどでせわしなく、年が明けて2月には米ツアーのアジアシリーズがあり、そして3月に国内ツアーの開幕を迎えます。

 実質1、2カ月のオフ期間では大きい筋肉を鍛えるなんて到底できっこない。無理にやるとシーズンに影響を及ぼしかねません。今は1年を通して少しずつ、小さい筋肉を作っていく細かなトレーニングを積んでいくことが必須。オフの間でも、数字を出せる体をキープしておくことが求められます。

 オフになると、特に人気選手は、イベントやテレビ番組に呼ばれることが多くなります。そういう場で、例えば他競技のトップアスリートと出会い、話すことで、私のやっていたことは間違っていなかったんだと再確認できたり、あの時こうしていれば良かったんだとアイデアをもらったりと、いい影響を受けることもあります。

 ですから、テレビ番組などに出演すること自体はいいと思います。ただ、それで練習時間が短くなってしまうと、来シーズンどうなるか。あくまで知名度と実力はイコールではない。人気があるからゴルフがうまいわけではない。そこを錯覚してはいけません。

 「こんなはずじゃなかったのに」-。この言葉だけは、誰からも聞きたくありません。シーズンが始まって、これを口にした時点でもう取り返しはつきませんから。私たちはタレントではありません。プロの世界は数字を残してなんぼ。本分を忘れず、有意義なオフにしてほしい。

 今年は東京五輪がありますから、代表の座をつかむには6月までにポイントを稼がないといけない。できれば開幕ダッシュを決めたいところ。例年以上に始動を早める必要がありますし、オフの過ごし方がより大事になります。

 畑岡さん、渋野さん、鈴木さん以外にも代表争いのスタートラインに立っている若い選手が何人かいます。新しい顔ぶれが加わり、激しい代表争いが展開されることを期待したいと思います。

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