黄金世代はなぜ出現したのか アマ時代のゴルフ環境が劇的に変化

 女子ゴルフ界を1998年度生まれの黄金世代が席巻している。米ツアーで活躍する畑岡奈紗(20)=森ビル=を筆頭に勝みなみ、新垣比菜、河本結、渋野日向子、原英莉花、大里桃子の合計7人が既に優勝を達成。その勢いはとどまるところを知らないが、では、なぜ黄金世代のような若くても実力ある選手層が出現したのだろうか?それはアマチュア時代のゴルフ環境が劇的に変化したことに大きな理由があった-。

 黄金世代とは1998年4月から99年3月までに生まれた世代を指し、アマチュアで優勝した勝みなみ、畑岡奈紗に加え、新垣比菜、小祝さくらが目立った成績を挙げていることから、黄金世代、ゴールデンエージと呼ばれるようになった。今年は勝ら先行組に河本結、原英莉花らが追随。前週の資生堂アネッサ・レディースで今季2勝目を挙げた渋野日向子を含め、この十数人は女子ツアー優勝争いの常連に定着している。

 これまで一般的には若い=未熟という図式が成り立ったが、黄金世代には当てはまらない。若くても高い技術とメンタルを持ち、経験値も十分。実力者と一緒に回っても物おじせず、優勝を目指して自分のプレーをすることができる。では、なぜこういう世代が出現したのか。

 女子ゴルフ界の“レジェンド”で日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の樋口久子相談役(73)はこう話す。

 「やっぱり経験の違いですよ。以前はプロの試合に出ても邪魔にならないようにという感じだったけど、今は優勝しようと思っている。その違いは大きい」

 経験=アマチュア時代のプロツアー出場試合数と置き換えてみると分かりやすい。LPGAは2002年に当時の樋口会長の音頭取りでアマチュアの年間出場試合数の制限撤廃を決めた。それまでの最大8試合から無制限へ。この恩恵を最初に受けたのが03年にアマチュア優勝を果たした宮里藍で、黄金世代はさらに多くの試合出場機会を与えられた。主力どころでは勝みなみが69試合、新垣比菜が42試合、河本結が20試合に出場している。

 SNSや携帯カメラの普及も重要な要素と指摘するのは、今年日本プロゴルフ殿堂入りを果たした元LPGA理事の小林法子氏(74)だ。

 「昔はスイングで悩みだしたら自分ではどこが悪いのか分からなかったけど、今は携帯カメラで自分のスイングをチェックできます。トレーニングや道具に関して、プロとアマチュアの間に情報の差がなくなったことも大きい。SNSでプロのトレーニング方法が開示され、アマチュアも最新の方法を取り入れることができる。昔はプロになってから学ぶことを、今の若い選手はアマチュアの時から身につけている。だからプロになってすぐに活躍できるんです」

 強いのは黄金世代だけではない。2学年下の00年度生まれは、プラチナ世代、ミレニアム世代と呼ばれ、今年高校を卒業した安田祐香、古江彩佳、西村優菜、吉田優利らがプロ転向の日を待っている。小林氏は今後の女子ゴルフ界の未来像をこう描いている。

 「ボール、クラブ、シャフトの進化で今後は間違いなくパワーゴルフの時代になる。女子のコースでも6700ヤードくらいが平均になってくるでしょうし、これからは飛距離がなければ勝てない。そういう点でも黄金世代の選手はみんな飛距離が出る。しばらくは彼女たちの時代が続くのではないでしょうか」

 黄金世代は若いのに強い選手が数多いのではなく、既にトップクラスの実力者が黄金世代を形成しているということか。20歳が主流の彼女たちのポテンシャルは無限。今後のさらなる活躍に大いに期待したい。

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