アーノルド・パーマー氏死去 “レジェンド”逝く…メジャー通算7勝、米ツアー62勝

 「ゴルフ界のキング」と呼ばれ、プロゴルフの人気を飛躍的に高めた米国の往年のスター選手、アーノルド・パーマー氏がペンシルベニア州ピッツバーグの病院で25日に死去したと米国ゴルフ協会(USGA)が同日発表した。87歳。AP通信によると、死因は心臓疾患による合併症。メジャー通算7勝、米ツアーでは歴代5位の62勝を記録した“レジェンド”の訃報に、世界中のゴルフ関係者はショックに包まれた。

 最近のパーマー氏はゴルフ場でもカートでの移動が主になるなど体力の衰えが顕著だった。今年4月のマスターズでは、例年務めていた始球式にあたる「名誉スターター」を「永遠に続けていたいが限界がきた」と辞退。姿は見せたが、関係者に支えられての登場だった。それから半年足らず、心臓の検査で入院していた病院で生涯を終えた。

 パーマー氏は米国でスポーツのテレビ中継が徐々に本格化し、大きな注目を集めるようになった1950年代半ばから活躍した。力強いスイングと攻撃的なスタイルで女性を含め、ファンを魅了。コースに押し寄せる熱狂的なファンは「アーニーズ・アーミー」と呼ばれた。特に60年からの4年間でメジャー5大会を含むツアー29勝を挙げ、その無敵ぶりで米スポーツ界きっての人気者になった。

 60年の全米オープンは今も語り草となっている。第3ラウンドを終えて首位に7打差をつけられていたパーマー氏は最終ラウンド、短いパー4の1番でドライバーショットをグリーンに乗せ、バーディーを奪う。これが猛追ののろしとなり、7番までに6バーディーを記録。65の好スコアで名手ベン・ホーガンらを逆転して優勝した。サンバイザーを投げ上げた歓喜のシーンは有名だ。この後、攻撃や突撃を意味する「チャージ」は同氏のトレードマークとなった。

 ジャック・ニクラウス(76)=米国、ゲーリー・プレーヤー(80)=南アフリカ=とともに「ビッグスリー」と呼ばれ、74年に世界ゴルフ殿堂入り。ビジネスでも成功し、世界各地でゴルフコースの設計に携わった。日本では、その名前を冠し傘のマークをあしらった服飾品ブランドで知られた。

 ゴルフ界の“レジェンド”の訃報に関係者からは追悼の声が相次いだ。米ツアーの「アーノルド・パーマー招待」で8度優勝するなど、親交のあったタイガー・ウッズ(米国)は「友情、助言、笑いをたくさんありがとう、アーノルド。あなたがいなくなったこれからのゴルフ界は想像できない」とコメントした。

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