塚田4打差12位から逆転初優勝

 「男子ゴルフ・ツアー選手権森ビル杯・最終日」(5日、宍戸ヒルズCC=パー71)

 首位と4打差の12位から出た塚田陽亮(31)=ホクト=が7バーディー、2ボギーの66をマークし、通算2アンダーとして、逆転でツアー初優勝を飾った。来季から5年シードも獲得した。69で回ったマイケル・ヘンドリー(ニュージーランド)が1打差の2位。谷原秀人(37)=日本スポーツ振興協会=は71で、アダム・ブランド(オーストラリア)と並び通算イーブンパーの3位だった。

 不安が膨らみ、緊張で足は震えていた。出だしの1番パー4。塚田陽のグリーン奥からの3打目は、ロブショットを狙ったはずが想定外のトップ。球は無情に反対側のラフまで飛んでいった。

 「1番はいくつになっても緊張する。だから、1番のスコアは(なかったものとして)消していこうと思っていた。気にしない」

 ピンまで7メートル。開き直って、ミスしたばかりのサンドウエッジを迷いなく振った。球は直接カップに入った。命拾いのパーセーブだった。

 2、3番で連続バーディーを奪い、加速した。脱落者が続出する中、コース攻略だけに没頭すると、集中力は高まり、プレーは研ぎ澄まされていった。

 勝負を決めたのは最難関の17番。得意のドライバーを強振した。フェード気味に低くはじかれた弾丸は、追い風にも乗って300ヤード超も飛んだ。残り113ヤード、池越えの2打目。ピン横1・5メートルに寄せ、バーディーを奪った。「自分で自分を褒めたい」と自画自賛した。

 14歳のとき、単身で米国に渡り、多くのプロを輩出する名門IMGアカデミーの門をたたいた。英語もできない男が、ポーラ・クリーマーと同じグループに入り、世界の有望株としのぎを削った。

 そこで打ちのめされ「30歳までに日本ツアーに出場できれば」と再出発。下部ツアー、アジアンツアーで地道に努力を重ね「勝てるとは思っていなかった」というビッグゲームで頂点に立った。

 「優勝できたことを自分の力に変え、2勝、3勝とできるように。日本ツアーを盛り上げていきたい」。異色の経歴を持つ苦労人が、ようやく一歩、踏み出した。

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