杉内 投球哲学貫きノーヒットノーラン「ヒットを打たれるくらいなら四球でいいや」

 【2012年5月31日付デイリースポーツ記事より】

 「交流戦、巨人2-0楽天」(30日、東京ド)

 巨人の杉内俊哉投手(31)が楽天(1)戦(東京ドーム)で史上75人目、通算86度目のノーヒットノーランを達成した。4月6日に広島の前田健太投手が達成して以来、今季2人目、交流戦では史上2人目の快挙となった。杉内は九回2死から四球を出したが、打者28人に安打を許さず、14奪三振の熱投で12球団トップの7勝目を飾った。  快挙であることに間違いはなかった。九回2死一塁。聖沢を三振に仕留めて史上75人目のノーヒットノーランを達成。杉内はガッツポーズをし、おどけながら阿部と抱き合った。マウンドに選手が集結。まるで優勝の瞬間のようだった。

 明らかに興奮していた。「信じられない感じ。非常に光栄。うれしく思います」。百戦錬磨の男だが、その声は震えていた。

 これまで一度も投げ勝ったことがなかった田中との直接対決で燃えた。直球、スライダーのキレが抜群で付け入るスキはなかった。通算53回目の2桁奪三振で並んでいたダルビッシュを抜き歴代単独5位になった。終盤はどよめきが充満する異様な雰囲気に包まれた。

 九回2死まで1人の走者も出さなかった。代打・中島にフルカウントとし投じた直球は内角低めに外れた。完全試合達成がスルリと逃げ苦笑いを浮かべる左腕。だが「真ん中に投げるのは無責任。ヒットを打たれるくらいならコースを狙って四球でいいやと」。自身の投球哲学を貫いたからこそ悔いはなかった。

 伝統、歴史のある巨人軍で、18番を背負うことに葛藤(かっとう)もあった。巨人では生え抜きの右投手がエースナンバーとして背負ってきた。重圧を覚悟の上で新天地に飛び込んだ。シーズンを前に「今年にかける意気込みは強い」と決意もにじませた。

 キャンプでは「ここ2年、真っすぐに納得していなかった」と直球のレベルアップに取り組んだ。フォームもあらためて見直すことで手応えをつかんだ。パを代表する左腕が“リニューアル”し、巨人の背番号18では1967年の堀内恒夫以来のノーヒットノーラン。「すべてにおいて18番らしくと思っている」と常々話す男が巨人の伝統にその名を刻んだ。

 両リーグトップの7勝目。「ノーヒットノーランはできすぎ。1年間、ローテを守って素晴らしい結果を残したい」。サウスポーの18番は巨人のエースになった。

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