佳菜子悔し銅…日本勢ファイナル0危機

 「フィギュアGPシリーズ第3戦・中国杯」(8日、上海)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)3位の村上佳菜子(20)=中京大=は、フリーも3位の108・95点をマーク。総合169・39点で、GPシリーズ2季ぶりの表彰台となる3位に入った。スケートアメリカ2位で、SP2位のエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)が196・60点で逆転優勝し、GPファイナル進出を決めた。

 2季ぶりのGPシリーズ表彰台も、素直に喜べなかった。フリーの4分間を終えた村上はフィニッシュポーズを解いた後、悔しそうに目を閉じた。「表彰台はうれしいけど、力を出し切れず悔しい」と唇をかんだ。

 今季フリーは、SP同じ「オペラ座の怪人」。ヒロインを演じたSPとは一転、胸もとに仮面のモチーフをあしらった白と黒の衣装で、怪人ファントムに扮した。ただ、力強い滑りを求めたことが空回りしたのか、冒頭の3回転ループが回転不足となると、得点源の連続ジャンプが1回転半-1回転に。後半は意地でジャンプをまとめたが、序盤のミスが大きく響いた。

 日本のエース格ながら3位確保が精一杯。GPシリーズ前半の3戦を終えて、ポイント争いの上位はロシア勢が独占し、日本勢はスケートカナダで3位だった宮原知子(関大高)の6位が最高で、村上は8位。上位6人が進む12月のGPファイナル(バルセロナ)への出場は微妙な状況となってきた。

 日本女子は01-02年シーズン以降、荒川静香、村主章枝、安藤美姫、浅田真央、鈴木明子らが必ずファイナルに駒を進めてきたが、14季ぶりにゼロとなる可能性が出てきた。ソチ五輪に出場した浅田が休養し、鈴木は現役を引退。過渡期を迎えた日本の女子フィギュアを象徴する事態だ。

 ファイナルへの可能性の残る村上、宮原はともに最終戦のNHK杯(11月28~30日・大阪)に出場予定。他の試合の状況次第だが、優勝もしくは2位の結果が求められることになりそうだ。「ファイナルの可能性はあるので、必ず行けるようにしたい」と村上。偉大な先輩たちが築き上げてきた歴史をつなげるか。真価が問われる。

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