錦織圭 涙で幕 現役ラストは世界8位に0-2完敗 約30年のテニス人生「諦めずにできたことは誇り」
「テニス男子・木下グループ・ジャパンオープン」(1日、有明コロシアム)
日本の第一人者として世界ランク4位まで上り詰め、今季限りで引退する錦織圭(36)=ユニクロ=が現役最後の大会に臨み、シングルス1回戦で世界ランキング8位のフランシス・ティアフォー(28)=米国=に4-6、4-6で敗れ、競技生活に終止符を打った。試合後のセレモニーでは涙も見せ、コートに別れを告げた。
平日の昼間にもかかわらず、最上段まで埋まった有明コロシアムから拍手が鳴りやまない。錦織が現役最後の公式戦を終えた。ベンチに腰かけ、タオルで顔を覆うと涙があふれてくる。「終わるまで泣くなんて思っていなかった。銀行に大量にお金が入っていたのに、急に0になったような喪失感が襲ってきた」と独特な表現で例えつつ「日本でのプレーは格別。幸せな最後の一週間だった」と万感に浸った。
最後まで輝きを放った。世界8位のティアフォーに食らいつき、代名詞のエアK、ダウンザラインを決めるなど大善戦。引かずに前に出る気迫あふれるプレーは全盛期をほうふつとさせた。
0-2の完敗には「本当に負けず嫌いなんですかね。もうちょっと見せたかった」と苦笑いし、最後まで勝負師の顔。それでも「この負けず嫌いがなくならなくてよかった。けがで何年も失った中で諦めずにできたことは誇り」と約30年のテニス人生に実感を込めた。
5歳からラケットを握り、2014年全米オープン準優勝、世界4位、16年リオデジャネイロ五輪での日本勢96年ぶりの銅メダル獲得など、数々の伝説を残し続けてきた。近年は故障に苦しみ、下部ツアーが主戦場となったが、復活の道を模索。ただ全盛期のプレーは戻らず、今年5月に自身のSNSで引退を発表した。
「けがをどうにかできなかったのかとか、1試合勝っていれば人生が変わった試合はたくさんあったので、後悔は探せば出てくる。けど、よく頑張ったなという思いは強くある」と本音を漏らした錦織。最後は目を赤くしたままコートを一周してファンに感謝を伝えた。日本テニス界の一時代を築き、先頭で走り続けたスーパースター。その功績は色あせることはない。
◇錦織 圭(にしこり・けい)1989年12月29日、島根県松江市出身。5歳でテニスを始め、13歳から米国の名門アカデミーに留学した。2007年に17歳でプロ転向。08年にフロリダで行われたデルレイビーチ国際選手権で、日本男子では松岡修造以来となるツアー初優勝を果たした。14年全米オープンで日本勢初の四大大会シングルス決勝に進出。16年リオデジャネイロ五輪シングルスで銅メダル。ツアー通算12勝、世界ランキング最高は4位。家族は妻・舞さんと子ども2人。青森山田高出身。178センチ、73キロ。
