男子テニス 錦織圭が公式最終戦へ「コートで悔いなく終われるように」プロキャリアも総括「満足いってないけどよく頑張ったなと」ジャパンOP30日開幕
男子テニスの元世界ランキング4位で、今季限りで現役引退する錦織圭(36)=ユニクロ=が25日、都内で会見を開いた。国内最終戦となるジャパンオープン(30日開幕)へ向け、「(状態は)満足感もあって、来週の試合が楽しみ。特に期待感はないけど、試合を最後にできる楽しみな気持ちが大きい。引退を決めてから海外の試合は出ていて、全米での熱い気持ちや、テニスをお客さんの前でできる幸福感はあった。やっぱり日本でやることは違う感覚があると思うので、正直、悔いはないけど、悔いがないように自分がしたいテニス。コートで悔いなく終われるようにしたい」と意気込んだ。
公式戦としても最終戦となる予定だが、「今のところはそうです」と、ちゃめっ気たっぷりに含みを持たせて笑顔。ジャパンオープンは12年大会と14年大会の2度制しており、「2年優勝できた瞬間は今も忘れない。(ミロス・)ラオニッチと決勝をやったのは…。何年かは忘れたけど、前の週のマレーシアで優勝して、ここに入ってきて。この大会は他の大会とは違う意味の大きな目標があって、ここで優勝することは格別なもの」と感慨を込めた。
現在のコンディションについては、「よくもないけど、アドレナリンで押し切れる部分ある。心配はしていない」とうなずいた。続けて「引退がちらついたのは3~4年前に1回あって、その時に思ったのは悔いがあったり、けがで辞めることになったら嫌だなということ。その時はテニスを辞めるタイミングも分からなかったし、辞める理由も見当たらなかったので『テニスはずっと好きなんだろうな』という気持ちを持ちながらやっていた。その中で練習とかトレーニングで、気持ちと足が重くなってくることが現実で出てきた。全米で熱い気持ちも取り戻せたし、ある程度は自分の中でいい試合もできて、出し切れたし、そういう終わり方ができてよかったなと思う。プラスアルファでプレゼントの形で、ワイルドカードをもらえて日本で試合にできるのはボーナス。すごくありがたい終わり方ができる」と語った。
見せたい姿を問われると、「あまりないですね(笑)自分が楽しめれば。お客さんの受け取り方はそれぞれだと思うので」と錦織節をさく裂。ただサッカー代表戦やアジア大会を見てスポーツの力を再確認できたと明かし、「卓球の試合を見ていて金メダルを取ったり、サッカーで強いチームに勝ったりを見ていると、スポーツの力はすごいなと。やる気と勇気をもらえた。スポーツは他にはない、人に光を授けられるものだと思った。それを最後、自分ができるのはうれしい」とジャパンオープンで奮闘を届けることを誓った。
自身が歩んできたキャリアも総括した。日本だけでなくアジアの先頭に立って、ビッグ3としのぎを削ってきたプロ19年間。錦織は「一番楽しかった時期。大きな壁が何人もいて、自分をすごく成長させてくれた。ジョコは、めちゃくちゃ大きな壁となって挑戦を強いられいた。いなかったら…とは思うけど、あの人たちがいてくれたからこそ、テニスに対する情熱もあった」と語り、「あの選手たちがいなくなった2~3年は、自分の中でも気持ち的に失った感じはありました」と率直な思いも明かした。
一番印象に残る試合は14年全米オープン。「これというのは難しいけど、やっぱり一番に思い出に残っているのはUSオープンで決勝にいけたこと。決勝でかなり緊張して、体力も無くてボコボコにやられた決勝戦。特にトップ3~4の選手とグランドスラムとかで良い試合ができたことは誇りとしてある」と実感を込めた。
続けて「よく頑張ったなと思う。アジア人で上を目指す人がいない中初めてトップ10に入れたり、小さいケガも多い中で、よく頑張ったなという気持ちもある」と総括。「悔いが残る部分は多くて、これだけケガして、合計すると何年もツアー期間を失っている。それがなかったらな…とは思う。でもそれが自分と受け止めるしかない。四大大会、1000もとれていないので。そこは一番、悔いが残るし、他の選手に比べて劣等感というか、煮え切らない部分はある。なかなかキャリアに満足はいっていないけど、でもよく頑張ったなというのは本音である」と両面の気持ちを明かした。
引退後の活動は模索していく。「これ!というのはなくて。自分の気持ちが落ち着いたら。自分に何ができるのかなと言うのを探すのと、期間をおいて自分探しというか」。テニス界の普及やレベルアップは思い絵がおり、「自分が歩んできた道や、経験をジュニアの選手に共有できたらと思う。日本のテニスが強くなってほしい気持ちはあるので、そこをどう手助けできるか探っていきたいと」と話した。
