大の里 復帰戦で完敗… 黒星発進も切り替え強調「またあしたです」当たってすぐ引く悪癖なおらず

 「大相撲名古屋場所・初日」(12日、IGアリーナ)

 2場所連続休場明けの横綱大の里(26)=二所ノ関=は、新小結義ノ富士(伊勢ケ浜)に押し出され、黒星スタートとなった。先場所途中休場の横綱豊昇龍(27)=立浪=は小結王鵬(大嶽)を渡し込みで退けた。大関では綱とりの霧島が藤ノ川を押し倒し、かど番の琴桜は隆の勝を突き落とした。10勝で大関に特例復帰する関脇安青錦は、平戸海に豪快な上手投げを決めた。

 落ち着いた表情は変わらない。支度部屋での言葉も変わらなかった。大の里は黒星発進に「あした、気持ちを切り替えてやります」と答え、復帰戦の緊張を問われると「またあしたですね」と話した。出場の決め手には「またあした、切り替えてやります」と応じ、義ノ富士との合口の悪さを問う声には「またあした頑張ります」と繰り返した。

 初場所14日目の安青錦戦以来の白星が遠い。対義ノ富士は4連敗。立ち合いで弾くも左を差され、後ろに引く悪癖が出た。相手を呼び込み、なすすべなく押し出されると、後ろ向きで両手を膝に付きうつむいた。会場にため息が充満した。

 昨年九州場所13日目、安青錦戦で左肩を負傷。初場所は10勝を挙げたが、春場所は初日から3連敗で途中休場。夏場所は全休した。横綱時代に故障による休場に苦しんだ師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は5月、「地獄だと思う」と弟子を思いやった。

 出場に踏み切った今場所。3日に熱田神宮で奉納土俵入りを行った大の里は「一日も早い回復を祈りました」と話した。6日の二所ノ関一門連合稽古では、琴桜に無傷11連勝。手応えを語ったが、以降は部屋から出ず非公開で調整してきた。

 史上最速の初優勝(初土俵から7場所目)、最速の横綱昇進(所要13場所)など数々のスピード記録を打ち立てた大の里にとって、初めての大きな試練が続く。

 二所ノ関親方は弟子の左肩を「動いている。稽古ではうまく使えていた。でも、本場所だから」と説明。そして「2場所休んで、周りはすごいスピードで進化している。2場所空けると別ものになる。自分の経験からも。それ以上に高めていかないと」と取組前に言及していた。

 苦しいスタート。八角理事長(元横綱北勝海)は「開き直らないと」とゲキを飛ばした。それでも、終始表情を変えなかった大の里。会場の声援には「たくさん応援してくれる皆さんに…」と話し、やや間を置いて「まだ始まったばかり」と前を向いた。

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