大相撲 炎鵬1141日ぶり関取星「今日までやってきてよかった」場内大歓声に感慨「最高」脊髄損傷の重傷から再十両
「大相撲夏場所・初日」(10日、両国国技館)
脊髄損傷の重傷から十両に復帰した炎鵬(伊勢ケ浜)が、栃大海(春日野)を下した。立ち合いから鋭く当たると、低い姿勢で相手の反撃を我慢し、最後は力強く押し切った。関取での白星は、2023年春場所千秋楽(同年3月26日)以来1141日ぶり。不撓(ふとう)不屈の小兵が大銀杏を結い、十両の土俵に戻ってきた。
「つくづく今日までやってきたよかった。この1勝を前回はできなくて、あの日を塗り替えられた…払しょくできた気がする」
土俵入りでは、北陸製菓が1970年から発売する揚げあられの人気商品「ビーバー」のキャラクターが描かれたオレンジ色の化粧まわしで登場。「炎鵬!」「頑張れ」などの大歓声が国技館を埋め尽くし、観客席からは多くの名前入りタオルや「おかえり炎鵬」と書かれたバナーなどが掲げられた。炎鵬は優しい笑顔を浮かべつつ、「最高です…」と充実感を込めた。
三賞受賞経験もある元平幕の人気力士。十両だった2023年夏場所の9日目に首を痛めた。脊髄損傷の重傷で、病院では約2週間ほぼ寝たきりの状態。力士としてだけでなく日常生活すらも危ぶまれる状況となったが、苦しいリハビリ生活を乗り越え、7場所連続休場の末に、24年名古屋場所で復帰した。序ノ口から再出発し、1年10カ月の時間をかけ、今場所で再十両。昭和以降、元幕内が序ノ口降下後に再十両を果たすのは史上初となった。
今日は母の日。両親や身内も多く観戦に訪れているという。炎鵬は「これもめぐり合わせ。今でも毎日、心配してくれていると思うし、母には『悔いなくやりなさい』と言葉をもらっている。白星を挙げられてよかった」と実感を込めた。
これまでは7番だったが、今場所は15日間の戦いが続く。「(15日間取れることが)なによりの喜び。明日も準備をして土俵に上がれたら」とすがすがしい表情で語った。
