田嶋剛希が初V 男子90キロ級以下は14年ぶり 五輪代表権争う村尾相手に残り12秒で背水「無我夢中でとっさの技が出た」

田嶋剛希
 決勝で村尾三四郎(奥)に優勢勝ちし、初優勝を果たして笑顔を見せる田嶋剛希
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 「柔道・全日本選手権」(26日、日本武道館)

 体重無差別で争われ、昨年の世界選手権90キロ級銀メダルの田嶋剛希(28)=パーク24=が、同金メダリストでパリ五輪同級銀メダルの村尾三四郎(25)=JESエレベーター=に優勢勝ちし、初優勝した。男子90キロ級以下の選手による制覇は、2012年の加藤博剛以来14年ぶり。28年ロサンゼルス五輪の代表切符を争うライバルへの連敗を「3」で止めた。

 残り12秒の崖っぷちで活路を見いだした。開始から主導権を握られ、旗判定での勝利は見込めない展開。田嶋は大きく踏み込み、隅返しをかけた。「無我夢中でとっさの技が出た」。同時に倒れ込む際どい瞬間にはなったが技あり。3連敗中と五輪代表争いで突き放されていたライバルに勝利し「対戦を恋い焦がれて遠距離恋愛のような感じだった。勝てたのは大きい」と涙して喜んだ。

 名を広めなければならない理由があった。2週間前。訪れた温泉施設の湯船で、ある男性から声をかけられた。雑談すると柔道に詳しく、90キロ級の強い選手の名前がどんどん出てきた。村尾、向翔一郎…。しかし、自分の名は全く出てこない。「まだまだやな」。タイトルを取る気持ちがめらめらと燃えた。14年ぶりとなる90キロ級での制覇。歴史に名を刻み「今日でおじさんに名前を覚えてもらえたかも」と笑った。

 旗判定など独自ルールではあるが、代表権を争う村尾から1勝を挙げた精神的収穫は大きい。次は世界選手権(10月、バクー)での激突が予想される。「田嶋派、村尾派で盛り上がって最後に勝つのが目標」。ビッグタイトルで得た自信を糧にする。

 ◇田嶋剛希(たじま・ごうき)1997年7月27日、千葉市出身。5歳の誕生日に父から「柔道強くなりたいか?」と聞かれ「頑張る」と即答したところ、次の日から猛特訓が始まり本格的に競技を始めた。国士舘高から筑波大に進学した。23年全日本選抜体重別選手権を制し、24年世界選手権も優勝。26年グランドスラム・パリ大会優勝。172センチ。

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