プロバスケットボール選手の大倉が4月に次世代育成スクールを開校 現役Bリーガーがなぜ教える側に立つのか-
バスケットボールBリーグ・アルバルク東京の大倉颯太(26)が4月、東京都墨田区に「KOA BASKETBALL ACADEMY」を開校する。現役選手としてプレーを続けながら、次世代育成に力を注ぐ。
2023年7月に開校した新木場校(東京都江東区)、戸田校(埼玉県戸田市)に続く3校目。「僕が始めたアカデミーで、たくさんの思いを届けたい。環境が整えばどんどんやっていきたいと思っていた」と、スポーツが盛んな地での新たな挑戦に踏み出した。
アカデミー設立の原点は大学時代にある。東海大在学中、特別指定選手として千葉ジェッツに加入し、初めてプロの世界を体感。「日本のバスケットは進んでいると感じることができた。そこで学んだ技術や考え方を子どもたちにも伝えたい」と思いを抱いた。
だが、その後のキャリアは順風満帆ではなかった。特別指定選手2年目の21年、試合中に負傷。前十字靱帯(じんたい)断裂、内側側副靱帯(じんたい)断裂、半月板損傷と診断され、全治10カ月の大けがを負った。懸命なリハビリで復帰したが、22年にも再び前十字靱帯(じんたい)を断裂。「2度とけがは嫌だと思っていたので、本当に最悪でした。リハビリに向かうモチベーションもなかった」と振り返る。
それでも前を向いた。2度目の長期離脱中は映像で知識を深め、体の構造やトレーニングの意図を学んだ。「起こったことを受け入れて、一つ一つやっていくしかない」。苦難の経験が、今の土台となっている。
スクールで重視するのは“考える力”だ。「この練習に意味があるのか。子どもはそう思うもの」。だからこそ練習の意図を伝え、理解させることを徹底する。「理解するのとしないのでは成長スピードが変わってくる」。さらに「向上心よりも好奇心。もっと純粋にバスケットを楽しんでほしい」と語り、楽しさの中での成長を促す。
現役選手がアカデミーのディレクターを務めるのは珍しいが、「誰もいないからやらないのではなく、現役だからこそできると思った」と断言。プロで学んでいることを直接伝えられる環境に自信を見せ、「引退してからでは遅い。今だから意味がある」と力を込めた。
目標は、自ら指導した選手と同じコートに立つこと。「一緒にプレーできたらうれしい」と将来的な夢を語る。また、地元・石川でも震災復興の思いを込めて24年から「KOA BASKETBALL ACADEMY」として毎年クリニックを行うなど普及活動にも取り組んでおり、「バスケットをする子どもたちが増えてほしい」と願う。
今シーズン、個人としての目標はチャンピオンシップ優勝。「最後に自分たちのチームを出せれば勝てると思う」と、全力で戦う姿を子どもたちに見せることもまた、現役選手としての使命と考える。コート内外で挑戦を続ける大倉が、“次世代”へパスをつなぐ。





