千葉百音 “雨のちあっぱれ”3位で初五輪 自身に言い聞かせた言葉「私は弱くない」 仙台市出身、羽生さんと同じ拠点で育つ

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(21日、国立代々木競技場)

 女子は坂本花織(25)=シスメックス=が5連覇を達成。千葉百音(20)=木下グループ=がSPから一つ上げて3位となり、4位に入った中井亜美(17)=TOKIOインカラミ=とともに来年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪代表入りが決まった。ジュニアで代表資格がない島田麻央(17)=木下グループ=が2年連続2位。ペアはSP2位の長岡柚奈、森口澄士組(木下アカデミー)が2年ぶり2度目の優勝を果たし、フリーを棄権した三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)とともに五輪代表入りが決定。1枠のアイスダンスは吉田唄菜、森田真沙也組(木下アカデミー)が2連覇し、団体要員での初出場が決まった。

 夢舞台への切符を確かめるように、両手を胸に当てた。4位発進の千葉が順位を上げて表彰台を死守。「私は弱くない」。そう言い聞かせてリンクに上がると、冒頭の3回転フリップ-3回転トーループの連続ジャンプを成功。その後も全てのジャンプを降りた。

 「あぁ~終わった」。緊張から解き放たれ、取材エリアでは頰を緩めてぼそり。初の五輪代表を決め「スケートを始めたころから目標だった五輪に出場できてうれしい」と実感を込めた。

 仙台市出身の20歳。4歳から競技を始め、23年まで五輪2連覇王者の羽生結弦さんと同じ拠点で育ってきた。安定感抜群の演技を武器に、今季は女子で唯一のGPシリーズ2連勝。ただ、ファイナルのフリーでは2度転倒して珍しく崩れて5位に沈み、五輪代表選考レースから後退した。

 「悔しさに浸っているのは甘え」。大会後は強い言葉で自らを戒め、涙はすぐに拭いた。そこから2週間で迎えた今大会。代表入りへ失敗が許されない中、フリーではこれまでと異なる青の衣装で臨み、会心の演技で悪夢を払拭し、3位に滑り込んだ。

 得点を待つキスアンドクライに飾られた各選手が決意を書き込んだボードには「雨降って地固まる」と記した。「心に亀裂が入ってうつろになったけど立て直せた。今までで一番濃くてしんどくて、何とか乗り切った2週間だった」。ぬらした頰をバネに変え、五輪切符をつかんだ。

 ◆千葉百音(ちば・もね)2005年5月1日、仙台市出身。東北高を経て、24年に早大進学。4歳で競技を始め、23年5月に練習拠点を京都に移して木下アカデミーに所属。同年の全日本選手権2位。24年四大陸選手権優勝。同年のGPファイナル2位。今年はGPシリーズ2連勝も、ファイナルは5位。趣味は読書と刺しゅう。156センチ。

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