阿部一二三 再起V!2119日ぶり黒星の世界選手権から復活 「まだまだ若手には自分の場所は渡さないぞと」

 「柔道・グランドスラム東京大会」(7日、東京体育館)

 7階級が行われた。男子66キロ級では五輪2連覇王者の阿部一二三(28)=パーク24=が、決勝で顕徳海利(天理大)にゴールデンスコア方式の延長戦の末に一本勝ちし、2119日ぶりの黒星を喫した6月の世界選手権から再起Vを果たした。23年大会以来6度目の優勝となった。女子70キロ級は、世界選手権女王の田中志歩(JR東日本)が制し、来年10月の世界選手権(バクー)代表に内定した。

 一二三が激闘を乗り越えた。先に技ありを奪われてピンチを背負った韓国選手との準々決勝は、残り2秒で大逆転勝利。世界王者・武岡毅(パーク24)との準決勝は、12分を超える大熱戦の末、執念の小外掛けで決着をつけた。迎えた決勝戦も延長戦となったが、最後は五輪王者の貫禄を見せ、体落としで一本勝ちした。

 6年ぶりの黒星から再起を証明する6度目V。武岡との直接対決にも勝利し、ロサンゼルス五輪の代表争いに食い込もうとする後輩を突き放した。絶対王者は「一日を通してこれだけきつい試合は初めて」と本音を漏らしつつ、「まだまだ若手には自分の場所は渡さないぞ、という気持ちで戦った。ある意味、隙のない柔道ができたのかな」と充実の汗を拭った。

 今季は無差別で争う全日本選手権への挑戦や、6年ぶりの黒星を味わうなど新たな経験を得た。来年の最大のターゲットは10月の世界選手権。5度目の制覇となれば、五輪代表争いもかなり有利に進められるはずだ。「阿部一二三が66キロ級の日本人で一番強いと証明できた」。他の選手を寄せ付けず、このまま夢舞台まで突っ走る。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス