阿部詩GS5度目V!失意の五輪乗り越えた 全勝で2025年締め 来年世界選手権代表に内定「もう一段成長できた」

 「柔道・グランドスラム東京大会」(6日、東京体育館)

 女子52キロ級が行われ、2021年東京五輪金メダルの阿部詩(25)=パーク24=が、坪根菜々子(自衛隊)に優勢勝ちして23年大会以来5度目の優勝を飾り、26年世界選手権(10月、バクー)代表に内定した。同63キロ級を制した25年世界選手権女王の嘉重(かじゅう)春樺(25)=ブイ・テクノロジー、男子90キロ級を制した昨夏のパリ五輪銀メダルの村尾三四郎(25)=JESエレベーター=も同じく決まった。

 3年後の夢舞台を見据えた強い覚悟で勝ち切った。詩は試合後にろっ骨を折っていたことを告白。10月に負傷し、大会2週間前に正式に判明した。十分な稽古も積めず、状態は「50%」と棄権もよぎったが、「ロサンゼルス五輪のことを考えると、靱帯(じんたい)が切れていても畳に立たないといけない」と出場を決意した。

 痛みを伴う動きは極力避け、「寝技にならないで立ち技でやるしかない」と戦術を限定。モンゴル選手との初戦は袖釣り込み腰で技あり、大森生純(JR東日本)との準決勝は大外刈りで有効を奪って勝ち進むと、坪根との準決勝も大外刈りで有効を取り、5度目の優勝を決めた。

 涙に暮れたパリ五輪から再起した今年。2月のグランドスラムバクー大会で復帰戦Vを飾ると、4月の全日本選抜体重別選手権、6月の世界選手権、そしてグランドスラム東京大会を制した。2025年は全勝締め。「もう一段、成長できたかな」と胸を張った。

 来年6月からはロサンゼルス五輪のシード権に関わるポイントレースが始まる。内定をつかんだ26年世界選手権で優勝すれば、階級内の立場的にも3大会連続の夢舞台が大きく近づくことになる。「技の精度をもっと上げていきたい」。一度は失意の底に沈んだヒロインが、リベンジの五輪へ確実に進んでいく。

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