鵜沢飛羽 突発性難聴乗り越え準決勝!「ほぼ泣きながら走ってました」 「ラシッドさんがいい流れを」NARUTOポーズも

 男子200メートル予選で3着に入った鵜沢飛羽(右)=撮影・石井剣太郎
 男子200メートル予選でゴール後、笑顔を見せる鵜沢飛羽
 男子200メートル予選で力走する鵜沢飛羽(右)
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 「陸上・世界選手権・男子200メートル予選」(17日、国立競技場)

 200メートル予選の男子は鵜沢飛羽(22)=JAL=が20秒39の6組3着で18日の準決勝に進んだ。女子は井戸アビゲイル風果(24)=東邦銀行=が22秒98の5組5着で突破。この種目で日本勢が準決勝に臨むのは2011年大会以来。男子の飯塚翔太(ミズノ)と水久保漱至(宮崎県スポーツ協会)は落選した。男子やり投げの崎山雄太(愛媛競技力本部)ディーン元気(ミズノ)長沼元(スズキ)は予選落ちした。女子棒高跳び決勝はケーティ・ムーン(米国)が4メートル90で3連覇。

“オタクスプリンター”がアニメ「NARUTO」のポーズで国立競技場を沸かせた。鵜沢が大応援を背に20秒39の組3着で準決勝進出。「そこ(着順での通過)は当たり前だった」。まずは筋書き通りに次のステージへのチケットを得た。

 スタートからかっ飛ばしていった。そのままトップと横一線に並んで直線に入ると、ラストは横の様子を確認しながらゴール。いつもはクールな鵜沢も「抜けてから集団の前にいられたことはいいことなのかな」と喜びの表情を浮かべた。

 日本記録更新へのプレッシャーから突発性難聴を患った。苦悩とはいつも隣り合わせ。それでも「人生の教科書」だという、漫画とアニメが鵜沢を癒やした。「自分の心を動かしてくれる。世界中の人に認められていて、あんなふうになりたい」。支えにする大好きなキャラクターのように、世界でヒーローを目指す。

 スタート時に披露したポーズは、男子110メートル障害の村竹ラシッドの影響だった。「昨日の朝に一緒にいて(村竹が)予選から(ポーズを)していた話をしたら『おまえもやれ』と言われた」と笑顔。割れるような歓声に「ほぼ泣きながら走っていました。うれしくて」と興奮気味に語った。

 決勝進出を狙う23歳は「自己ベストくらいのタイムを出せれば問題なくいけるはず」と鋭いまなざし。「ラシッドさんがいい流れをつくってくれた。自分がつながないと」。仲間の思いも背負い、スタートラインに立つ。

 ◆鵜沢飛羽(うざわ・とわ)2002年11月25日、宮城県出身。築館高から筑波大に進学。大学2年時に200メートルで日本インカレ優勝。24年には日本選手権を連覇し、パリ五輪で準決勝に進出した。25年にJAL入社。自己ベストは20秒11。182センチ。趣味は漫画を読む、アニメを見ること。

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