カーリング 大混戦の代表決定戦 どんと構えるロコ、「楽しむ」連呼のSC軽井沢ク、緊張感あふれるフォルティウス 勝つのは? 三者三様な取材エリアの空気感
「カーリング・ミラノ・コルティナ五輪最終予選代表決定戦」(12日、みどりスポーツパーク)
三つどもえで争う女子1次リーグが終了した。全チームが2勝2敗で並ぶ大混戦で、ドローショットチャレンジ(DSC)の結果で順位が決定。24年日本選手権優勝のSC軽井沢クラブが13日の決勝進出を決め、2位のフォルティウスと、3位で五輪2大会連続メダルのロコ・ソラーレが同日のタイブレークで争うことになった。
激闘を繰り広げた3チーム。どのチームにも五輪最終予選(12月、カナダ)代表入りの可能性がある。取材エリアの雰囲気は三者三様だ。
1位通過のSC軽井沢ク。初戦はロコ・ソラーレに4-13で大敗したが、スキップ上野美優は「代表決定戦に出られていることが幸せ。うまくいかない不安で(幸せな気持ちを)かき消すよりは、感情の部分で揺らがず集中する気持ち」と前向きに話し、その後は2勝を重ねて1次リーグ首位。「楽しむ」をテーマに掲げ、この日も決勝に向けて「楽しむ代表決定戦にしたい」とキーワードを連呼した。競技への純粋な気持ちを持った平均年齢22歳の若きチームが、台風の目になりつつある。
2位通過のフォルティウス。初戦から2連敗し、あと1敗でもすれば五輪消滅の危機的状況から、この日に2連勝を飾って戦線に踏みとどまった。取材エリアで、スキップ吉村紗也香は勝敗によって表情は変えず、常に緊張感を持って対応している。2勝のち3連敗で屈した4年前の北京五輪代表決定のリベンジがかかる、13日のタイブレークへ向けては「上がるか落ちるか、ここが勝負。高い集中力と、みんなで気持ちを1つにして頑張りたい」と、気を引き締めていた。
最後は3位のロコ・ソラーレ。初日2連勝から、この日は暗転の2連敗となったが、スキップ藤沢五月は「こんなもんですよね!」と笑い飛ばした。五輪を含め、これまで数々の修羅場をくぐり抜けてきただけに、余裕すら漂わせる。タイブレークに向けては「これまで無駄に崖っぷちに追い込まれてきたわけではない。その経験を生かして練習してきたことを信じて全員で1つのショットを決めきりたい」と、どんと構えた。
勝つのは、「楽しむ」連呼のSC軽井沢クか、緊張感あふれるフォルティウスか、どんと構えるロコ・ソラーレか。最短でも代表が決まるのは大会最終日の14日。13日午前8時開始のタイブレークから目が離せない。



