坂本花織 引退シーズン初戦「想定内」SP4位発進 連続ジャンプ失敗も65点台乗せ収穫「久しぶりで緊張感足りなかった」

 「フィギュアスケート・木下グループ杯」(5日、関空アイスアリーナ)

 開幕して男女SPが行われ、女子は2022年北京五輪銅メダリストで、今季限りの競技引退を表明している女子の坂本花織(25)=シスメックス=は65・25点の4位発進となった。千葉百音(木下グループ)が73・11点で首位、国際大会デビューの三宅咲綺(シスメックス)が70・29点で2位につけた。男子は友野一希(第一住建グループ)が85・08点で2位、山本草太(MIXI)が84・98点で3位。車俊煥(韓国)が87・76点で首位に立った。チャレンジャー・シリーズは国際スケート連盟でグランプリ・シリーズに次ぐ格付けで、日本初開催。

 伏し目がちに苦笑いしながら、ジャンプ失敗を「想定内です」と振り返った。今季限りの競技引退を表明している坂本は、連続ジャンプの失敗が響き65・25点の4位。シーズン初戦の滑りは万全と言えぬ内容も「練習でもノーミスの確率が結構低かったし、いつもSPの3-3(のジャンプ)が鬼門になっていたので、そこが本番でも出た」と冷静に自己分析した。

 青のグラデーションになった大人っぽい衣装で、ラストイヤーにかける思いを込めた。「Time To Say Goodbye」に合わせ、情感豊かに演技した。冒頭の3回転ルッツは1・77点という高いGOE(出来栄え点)を獲得し、ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)も成功。しかし、後半に予定していた3回転フリップ-3回転トーループの連続ジャンプが2回転一つだけになった。

 「久しぶりの試合だったので緊張感が足りていなかった」としながらも65点台に乗せ「めっちゃ出たと思う」と振り返った。一方で「やっぱり3-3は得点源。あそこがガッポリ10点くらいなくなったのが大きかった。でも、それさえ決まればという感じだったので、他の手応えはあった」と課題と収穫を手にした。高得点の3回転ルッツについては「去年まで不安要素の一つだったが、トレーニングの成果か、ルッツの不安は去年に比べて各段に少なくなった」と自己評価した。

 6月に、今季限りでの引退を表明。「次(4年後の五輪を)目指すなら29歳で不可能かなと考えた」と、25歳の決断を下した。3大会連続代表を目指すミラノ・コルティナ五輪に向かうシーズンでもあるが、意識について聞かれると「やや、ある。くらいです」と笑ってごまかした。

 今季は味の素グループのコンディショニングサポートを受け、食事から体調を整えている。SPの振り付けも「今年はどうしてもお願いしたい」と、銅メダルを獲得した22年北京五輪以来となるブノワ・リショー氏に依頼。6日のフリーに向け「自分ができることをやって、課題が見つかれば多分、エンジンがかかって次にいける」と表情を引き締めた。固い決意で挑む最終シーズンへ、ギアを上げていく。

 ◇坂本花織(さかもと・かおり)2000年4月9日、神戸市出身。4歳でフィギュアスケートを始めた。神戸野田高を経て、神戸学院大経営学部を卒業。16年全日本ジュニア選手権で初優勝し、17年世界ジュニア選手権は銅メダル。全日本選手権はシニアデビューだった17年大会で2位に入り、18年大会で初優勝。21年から4連覇中。五輪は18年平昌大会で6位に入賞し、22年北京大会は銅メダル、団体は銀メダル。GPファイナルは23年大会で優勝。世界選手権は22年から3連覇し、25年は準優勝。159センチ。

 ◆フィギュアスケートのミラノ・コルティナ五輪への道 各3枠の男子と女子は全日本選手権(12月18~21日・国立代々木競技場)の優勝者が最優先で代表入りすることになった。2人目は全日本の2、3位、GPファイナル(12月4~6日・IGアリーナ)の日本勢上位2人、全日本終了時で国際スケート連盟(ISU)公認のシーズン最高得点上位3人から選ぶ。3人目は全日本終了時の世界ランキングや日本連盟独自の国際大会ポイントの上位3人などを選考対象に加える。ペアは全日本の1、2位と、全日本終了時の世界ランキング、シーズン最高得点の最上位から総合的な判断で選出。アイスダンスは9月の五輪最終予選(北京)で出場枠1を獲得した場合、ペアと同じ基準を適用する。

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