田中希実 手応え得られず9位 主導権握る戦術で挑むも後退「足が止まる」難点分析 世陸予選通過へのカギに

 「陸上・ダイヤモンドリーグ」(22日、ブリュッセル)

 女子5000メートルの田中希実(25)=ニューバランス=は14分37秒19で9位だった。男子走り高跳びの真野友博(九電工)は2メートル18で4位。男子3000メートル障害で三浦龍司(SUBARU)が年間上位選手で争う27日開幕のファイナル(スイス・チューリヒ)に進出することも決定。日本勢は他に男子110メートル障害の村竹ラシッド、女子やり投げの北口榛花(ともにJAL)がファイナルに出場する。

 東京での大舞台を前に、確かな手応えは得られなかった。田中は「ラストにさらに上げることが難しかった。完全に脚が止まってしまうのが難点」と悔しがった。

 トップが独走する中、集団の後方で冷静に進めた。一昨年に日本記録をマークした思い出の地で「自分でレースを動かした上で、日本記録に近いタイムを狙った」と残り約800メートルから集団の前へ出て引っ張る。しかし最後に大きく順位を落とし「できれば渾身(こんしん)のラストスパートがしたかった」と意気消沈した。

 2種目に出場する世界選手権開幕まで、1カ月を切った。この日は「予選を通過できるかどうか」とみる5000メートルの本番を想定し、自ら主導権を握る戦術で挑んだが、好結果は出なかった。日本の女子中長距離界の第一人者は、東京では「情けない姿しか見せられない気がする」と表情を曇らせた。

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