琴桜 持ち味復活で4連勝 祖父との縁深い伯「桜」鵬と初顔合わせで完勝星 一家得意の名古屋で状態上向き!夢の横綱へまい進
「大相撲名古屋場所・7日目」(19日、IGアリーナ)
大関琴桜が祖父の横綱琴桜と縁深い伯桜鵬と初対戦し、寄り切って4連勝。5勝2敗とした。得意な形とは逆の左四つながら、持ち味を生かし完勝。名古屋場所は祖父、師匠の父、自身も得意な場所。今年は不振が続くが復活気配を漂わせた。御嶽海が敗れ全勝が不在となり、賜杯争いで1差追走。金峰山を寄り切った横綱大の里ら6人が1敗でトップに並ぶ。
重さと柔らかさ。琴桜の持ち味が出た。当たって右上手を取り、自身と逆、伯桜鵬得意の左四つも構わず寄り進んだ。「落ち着いて取れた。慌てる必要はないが、待ちすぎてもまわしが遠くなる。バタバタしないこと」。止まらず寄り切った。
縁深い初顔合わせ。幼い頃に先代師匠で53代横綱琴桜の故鎌谷紀雄さんと同じ横綱になることを誓い、相撲道をまい進してきた琴桜。祖父と同じ鳥取・倉吉の成徳小学校を卒業し、祖父への敬意から「桜」をしこ名に用いる伯桜鵬から目標に挙げられてきた。
その憧れにも「自分の相撲を取るだけ」と意に介さず、完勝星。九重審判長(元大関千代大海)は「好きな形にさせて力を出させなかった。上手、膝をうまく使い寄れた」と評価した。
琴桜は綱とりだった今年初場所で負け越した。春、夏場所は8勝止まり。膝の痛みが響いたようだが、父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「腰が重くなった。番付を上げた時の重さ、柔らかさが戻ってきた。一時期は足が細くなったが、場所前に下半身を強化できた」と手応え。膝の状態も上向いている。
祖父は5度の優勝で初賜杯を含む2度(1968年、1973年)が名古屋。父と自身の初三賞、そして3代そろって新十両も名古屋だ。琴桜は新入幕から5場所で3度2桁星をマーク。七夕の短冊に「優勝、横綱」と記した男が、復活を果たす。





