フェンシングの世界選手権（２２日開幕、トビリシ＝ジョージア）に出場する日本代表が２日、都内で合宿を公開した。昨年のパリ五輪で旗手を務め、女子サーブル団体銅メダルの江村美咲（立飛ホールディングス）は“脱・完璧主義”で同種目史上初の個人３連覇を狙う。

　これまで早寝早起き、練習ノートの記入などアスリートとして毎日ルールを定めてきたという。ただパリ五輪後は、自身の注目度が上がり環境が一変。多忙な生活と、日々の“縛り”のせいでモチベーション維持に苦しんだため、思い切ってルーティンを廃止した。

　「自分は好きなことやるんだ！と思ったら結構いけた（笑）。性格が変わっている実感もあるし、自分に寛容になれた」

　気持ちの余裕は競技にも好影響。「戦い方の引き出しが増えた」と、これまでリスクと捉えていた攻め方を解禁したことで、新たな伸びしろも見えてきたという。

　五輪メダリストとして臨む世界選手権も「自然体」がキーワードだ。「完璧なパフォーマンスというより、いけるところまで下から上がっていく感覚」。張り詰めた緊張感はない。にっこり笑う江村から充実感が漂った。