パリ五輪62キロ級金・元木 世界選手権代表入り 残り0秒17尾崎に劇的逆転 「(初優勝)今年こそ狙いたい」
「レスリング・明治杯全日本選抜選手権」(22日、東京体育館)
女子62キロ級でパリ五輪金メダルの元木咲良(23)=育英大助手=が、同五輪68キロ級銅メダルの尾崎野乃香(22)=慶大=に決勝と代表決定プレーオフで2連勝し、世界選手権(9月、ザグレブ)代表に決まった。男子フリースタイル65キロ級は同五輪金メダルの清岡幸大郎(カクシングループ)が勝ち、同グレコローマンスタイル77キロ級は同五輪金メダルの日下尚(マルハン北日本)が優勝し、それぞれ世界切符をつかんだ。
五輪女王の勝負強さを発揮した。元木は、パリ五輪時の68キロ級から62キロ級に戻した尾崎と激突。決勝を制して迎えた代表決定プレーオフでは、残り30秒で2点を奪われて3-5と劣勢だった。
「毎日頑張って練習している。最後は取りにいける」。焦りはなかった。再開してすぐにタックルで相手の左足を取ると、こん身の力でテークダウンを奪った。残り0秒17で劇的な逆転勝利。「最後に力を出し切ったのが時間内になってくれてよかった」。充実の汗が頬を伝った。
五輪は制したが、過去2回出場した世界選手権は3位、2位と優勝を逃している。朝のアラームは世界選手権のウイニングランの時に流れる曲に設定し、毎朝悔しさを思い出してきた。「聞くたびに不快な気持ちになる。今年こそは狙いたい」。初優勝で最悪な曲を最高なものに変えてみせる。




