少年相撲教室監督・長井恒輝さんが語る大の里の素顔「中村泰輝のままでした」 〝唯一無二〟な横綱になれ

 長井さんの長男を抱いて土俵入りを行った大の里=4月7日
 大の里と大関昇進伝達式で写真に納まる長井恒輝さん=2024年9月(長井さん提供) 
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 第75代横綱昇進を確実にした大関大の里と関わったことで、人生や暮らしが変わった人々がいる。第2回は、大の里が相撲を始めた石川県・津幡町少年相撲教室で監督を務める長井恒輝さん(32)に話を聞いた。

  ◇  ◇

 4月7日に行われた津幡巡業。土俵入りで赤ん坊を抱く大の里の姿があった。長井さんは「昨年11月に生まれた息子です。うれしかった」と喜んだ。会食する機会もあり「たわいのない話ばかり。テレビの中では遠い存在でしたが、会うと中村泰輝のままでした」と振り返った。

 津幡町役場の職員としてスポーツに関する仕事を担う。ボランティアで週2回の相撲教室の監督を務める。大の里、同教室で1学年下だった津幡町出身の十両欧勝海の後援会を手伝う。

 大の里が小学5年の時、金沢市立工を卒業し、役場に就職した。高校総体では団体8強、全中では大道久司(御嶽海)に敗れてベスト16だった。「当時はコーチ。2年しか関わっていないので、教え子というより後輩のような感覚」と回想する。「本当に子供らしい子。愛嬌(あいきょう)があった」と語った。

 大の里が小学6年で新潟に相撲留学する前、最後に胸を出した。「頑張って食らいついてきた印象は覚えています」と話す。日体大時代に、稽古が休みの時期は、大の里が教室の土俵で汗を流す姿があった。「ちょっと当たってもらったけど『恒輝さん、足が出ていないですよ』って。もう逆転です」と苦笑いした。

 大の里が卒業した後、一時は教え子が3、4人に減った。これに危機感を覚えて、2013年から津幡町ちびっ子相撲大会を開催するなど、普及活動に尽力した。現在は小学生15人が所属する。さらに、大の里の活躍で「津幡町では、身近な人が有名になったことをきっかけに、相撲が身近な存在になりました。相撲を見る目が変わった」という。

 大の里に対しては「横綱になってからがスタート。いかに地位を保って、記録をつくるのか。重圧に左右されない、本人が目指す『唯一無二』な横綱になってもらいたい」とエールを送った。8月には町役場職員として運営に関わる、同町で催される全国社会人相撲選手権が控える。

 「仕事でも、プライベートでも相撲。これも津幡に相撲の伝統があるからです。大の里、欧勝海の活躍とともに町おこしをしたい。相撲をやる子がもっと増えて、国技である相撲がもっと身近になるよう、自分も働きかけていきたい」

 大の里、欧勝海が土俵で戦うように、長井さんも奮闘を続けている。

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