大の里「うれしい」 全勝V逃すもパレード旗手に“恩人”高安 28日に第75代横綱誕生、故郷石川に錦「本当によかった」

 高安(左)の隣で満面の笑みを浮かべる大の里
 優勝し、八角理事長(右)から賜杯を受け取る大の里
 二所ノ関親方(右)に水をつけてもらう大の里
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 「大相撲夏場所・千秋楽」(25日、両国国技館)

 2場所連続4度目の優勝を決めていた大関大の里は横綱豊昇龍の上手ひねりで敗れ、初の15戦全勝は逃した。番付編成を担う日本相撲協会審判部は八角理事長(元横綱北勝海)に昇進を諮る臨時理事会の開催を要請し、理事長は受諾。26日の横綱審議委員会(横審)への諮問も決めた。28日に名古屋場所(7月13日初日・IGアリーナ)番付編成会議及び臨時理事会で昇進が正式に承認され、「第75代横綱大の里」が誕生する。

 優勝パレードのオープンカー。大の里は柔和な表情で声援に応じた。数々の昇進記録とともに賜杯を抱いた。隣には旗手の高安がいる。「昨日まで分からなかった。ビックリしました。うれしい」と、喜びを口にした。

 師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の弟弟子だった高安。日体大からの入門前には部屋で稽古をつけてもらった。昨年4月に協会から厳重注意を受けた際は、巡業先のぶつかり稽古で胸を出してくれて感激した。3月の春場所では優勝決定戦で戦った。横綱への門出にふさわしい旗手に迎えられた。

 全勝優勝は逃した。立ち合いで押し込むも、豊昇龍にしのがれ、上手ひねりに屈した。それでもインタビューで「最後、負けてしまいましたが本当にうれしいです」「全勝優勝したかったがかなわなかった。また次、頑張りたいです」と、表情は晴れやかだった。

 4月に55年ぶりに石川・津幡巡業が開催され、故郷に錦を飾った。「たくさん声援をいただいた。優勝を届けることができて本当によかった」と故郷への思いも語った。同郷の輪島以来の学生出身、阿武松を含め3人目の石川出身横綱となる。

 28日の伝達式では口上が注目される。29日の土俵入り稽古では、師匠から雲竜型を伝授されることは確実だ。30日の明治神宮奉納土俵入りへ「忙しくなる。感謝したい」とうれしそうに語った。

 前日に全勝優勝を厳命した親方は審判として弟子の黒星を見届けた。不満げそうに報道陣に対応せず国技館を後にした。

 ただ、これも理想に掲げる「唯一無二」への宿題と捉えればいい。名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)へ「大事な場所になってくると思う。しっかり準備して、頑張りたい」と誓った。

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