豊昇龍 先輩横綱の威厳示した 大の里を上手ひねりで下し全勝優勝阻止 2横綱で迎える来場所へ「一からやり直したい」

 「大相撲夏場所・千秋楽」(25日、両国国技館)

 2場所連続4度目の優勝を決めていた大関大の里は横綱豊昇龍の上手ひねりで敗れ、初の15戦全勝は逃した。番付編成を担う日本相撲協会審判部は八角理事長(元横綱北勝海)に昇進を諮る臨時理事会の開催を要請し、理事長は受諾。26日の横綱審議委員会(横審)への諮問も決めた。28日に名古屋場所(7月13日初日・IGアリーナ)番付編成会議及び臨時理事会で昇進が正式に承認され、「第75代横綱大の里」が誕生する。

 豊昇龍が先輩横綱の威厳を示した。来場所から同じ地位に上がってくる大の里を上手ひねりで下し、全勝Vを阻止。支度部屋には上機嫌で帰還し、「気合を入れすぎないようにした。最後に勝てて良かった」と笑顔で体を大きく横に揺らした。

 過去5勝1敗(不戦勝を除く)と得意にしている相手。立ち合いはもろ手で一気に土俵際まで押し込まれたが、右をのぞかせて踏ん張った。円を描くように右に動いて体を入れ替えると、左上手をがっちり引く。最後は持ち味の足腰の強さを生かして、192センチの巨体を豪快に投げ切った。

 新横綱場所だった先場所は途中休場したため、今場所は最高位として初の皆勤。大関時代との重圧の比較に「全然違う」と疲労感も漂わせた。

 来場所は白鵬、照ノ富士が在位した21年秋場所以来約4年ぶりに2横綱で迎える。横綱同士の対戦となれば白鵬、鶴竜が在位した20年春場所以来となる。豊昇龍は「逆に落ち着きます。1人だったからね」と大の里の昇進を歓迎しつつ、「一からやり直したい。優勝は逃したけど頑張りたい」と見据えた。

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