女子やり投げで前代未聞アクシデント 3回目が計測トラブルでやり直し バハマ選手の北口抜く記録が幻に 北口は慮る「『嫌いにならないで』と」解説も「気の毒」
「陸上・セイコー・ゴールデングランプリ」(18日、国立競技場)
女子やり投げ決勝で、まさかのトラブルがあった。
各選手が3回目の投てきを行い、64メートル19の自己ベストを持つリーマ・オタボー(バハマ)が日本のパリ五輪金メダリスト、北口榛花(JAL)の1本目の記録61メートル41を上回る62メートル03をマークし、トップに立ったが、計測トラブルにより3回目が途中からやり直しになる事態に。それまでの3回目の記録は無効となった。一部選手が再び3回目の投てきを行い、オタボーは59メートル35で2位浮上にとどまった。
TBSの中継で解説を務めた小山裕三氏は「珍しいですね」、「実際に60メートルは優に超えてましたからね。気の毒ですね。あの62メートルは何だったのか」と、首を捻った。
オタボーはその後、記録を伸ばすことができず、4位に終わった。
試合後の選手の話によると、投げたところではなくて、違うポイントを計測器が感知してしまい、2人の選手がやり直しに。北口は「バハマの選手はかなりいい記録が取り消されたので、『嫌いにならないで。また日本に来てね』と話しました」とオタボーを慮り、中断時間については「長く感じたのは正直ありますけど、世界大会になるほどトラブルはつきもの。あんまり気にしないようにしていた」と明かした。
日本陸連は計測トラブルについて、大会後に説明文を発表。「計測結果に疑義があると判断したため、競技者本人に説明し、再度3回目の試技を行った」とした。本件に関して抗議はなかったという。