大相撲 大鵬さんの孫、王鵬が関脇昇進パーティー「まだ途中。達成感はないです」

 「大相撲夏場所」(5月11日初日、両国国技館)

 幕内王鵬(25)=大嶽=の関脇昇進パーティーが29日、都内のホテルで行われた。

 新三役となる関脇で臨んだ3月の春場所は6勝9敗と負け越し。それでも西前頭筆頭で迎える夏場所は、対戦相手がほぼ同じなだけに、巻き返しが期待されている。

 約400人が来場。王鵬は「ありがたいですね。ゴールデンウィークでいろいろ行事がある中で」と感謝を口にした。コロナ禍と重なり、新十両や新入幕のパーティーは行われなかった。自身が“主役”なのは初。改めて「ありがたいですね」と感謝を述べ「まだ全然途中なので。達成感はないです」と語った。

 そして「(春場所から)落ちているんで。しっかり戻って、もっと上を目指したい」と三役復帰から大関、横綱に昇進することを誓った。

 序盤で横綱、大関との取組が予想される。「序盤で勝てればいい流れができる」と意欲を示しつつ「普段から誰と当たっても気持ちをつくって、一生懸命やってるつもり。相手が誰でも、15日間最高の状態で相撲を取れたら」と誓った。

 王鵬は対戦相手によって、他の力士の活躍によって、環境の変化によって等の外部要因でモチベーションが変わることはない、と常日頃から口にしている。

 「他のものが理由で頑張ろうと思えない。自分が頑張りたいから頑張っているだけ。ずっと生まれた時からそうですね。逆に人のために頑張れる人をすごい、と思いますね」

 弟の夢道鵬が夏場所で新十両に、埼玉栄高の同級生だった栃大海の新入幕は喜ばしいことだと感じている。ただ、それで自身の熱量に変化が起こるわけではないという。

 パーティーに約400人が訪れるなど、応援されることへの感謝は、相撲の意欲とは別の話だ。

 「僕が頑張ったことが理由で楽しんでくれたり、喜んでくれる人が多ければ嬉しいなとは思います。その人たちのために、と言うとおこがましい気持ちがある。喜んでくれるのはすごくありがたいです」

 そう真意を語った王鵬。春場所で見つかった意外な課題を明かした。

 「感覚的な話ですけど、僕はちょっとストレス、緊張感があった方が力が出るというか。関脇の地位は(取組順の)違いが一、二番で、やりやすさを感じてしまった。もっと自分にプレッシャーをかければ良かった」

 相手に応じて取組順が前半から終盤までバラツキのある平幕との違いを挙げ“やりやすいけど、やりにくい”という独特な心境を明かした。

 パーティーでは壇上から応援への感謝を繰り返した王鵬。「関脇は僕の夢の中ではまだ途中です。これからが本当の勝負。今場所を勝ち越して三役に戻り、その上を目指して精進したい。応援していただける力士を目指します」と挨拶を行っていた。

 王鵬は32回の優勝を誇る横綱大鵬の孫として有名。春場所では極めて異例となる3世代三役を達成(横綱琴桜-関脇琴ノ若-大関琴桜、横綱大鵬-関脇貴闘力-関脇王鵬)した。

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