阿部一二三「悔いはない」一本負けで2回戦敗退も晴れ晴れ 50キロ差、最重量級選手に大内刈り真っ向勝負で散るも「すっきり。改めて柔道が好きだと」

 「柔道・全日本選手権」(29日、日本武道館)

 男子66キロ級五輪2連覇王者の阿部一二三(27)=パーク24=が体重無差別の日本一決定戦に初出場。2回戦で100キロ超級の選手で、120キロの鈴木太陽(日本製鉄)に残り53秒で一本負けを喫し、敗退した。

 今大会に向けて72キロで挑んだ阿部だったが、約50キロ差の鈴木に試合開始から果敢に組み合ってスピードを生かした攻めをみせると、1分30分過ぎに新ルールで復活となった足取りからの連続攻撃で相手を崩す場面もあった。2分半前に阿部の左手指の出血により中断を挟み、試合再開。ただ、再開後は鈴木が組み手で優勢になる場面が増え、3分30秒に鈴木の大外刈りに阿部が崩れる場面もあったが、なんとか凌いだ。残り1分で再び阿部の出血で中断。再開直後に大内刈りで真っ向勝負を挑んだが豪快に返され、背中からたたきつけられて敗れた。

 試合後は「すごくいい経験。1試合目は袖釣り込み腰で一本勝ちできたし、2回戦も自分の攻める柔道ができた。悔いはない」と納得の表情。「楽しさもあったけど、負けたくない気持ちになった。畳の上に立ったら柔道家としてそこは変わらないなと。2回戦も判定では負けていたと思う。もう投げに行こうと思って、結果返されたけど、自分らしい柔道ができた。悔しいですけど、すっきりしてる。いい試合ができた。軽量級でも重量級と戦えるんだ、というのをみせられた。今日は凄く幸せだなと思いましたし、改めて柔道が好きだし、僕には柔道しかないと思えた」と、晴れやかな表情で振り返った。

 今後の挑戦については「まぁ、いいかな(笑)。自分の中でまた出たいな、全日本で勝ちに行きたいという思いになったらまた出たい」と、語った。

 28日の前日会見では「古賀(稔彦)先生みたいに子どもに夢を与えられるような柔道を意識して頑張りたい」と意気込み、今大会から解禁される下半身への攻防には「正面からしっかり投げにいく技で勝負したい」と真っ向勝負を宣言していた。

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