朝乃山「うれしかった」236日ぶり復帰星左膝じん帯断裂で三段目転落から再起へ「始まったばかり」

 「大相撲春場所・初日」(9日、エディオンアリーナ大阪)

 元大関で昨年名古屋場所の大けがから5場所ぶりに復帰した西三段目21枚目の朝乃山(高砂)が、天(錣山)を押し出しで下して復帰戦を白星で飾った。

 本場所での勝利は236日ぶり。百戦錬磨の朝乃山も、久々の本場所のでの土俵は「一番は緊張した。半年ぶりだったのでましてや今回(の番付転落)も三段目」と硬くなったという。それでも、大声援が背中を押す中で勝利をつかみ取り、「うれしかった。足を運んで下さったお客さんには感謝です」と胸を張った。

 朝乃山は昨年名古山場所4日目に一山本(放駒)と対戦し、押し倒しで敗れた際に左足をひねりながら倒れ、苦悶(くもん)の表情。車いすに乗って花道を引き揚げ、左膝じん帯断裂の重傷を負い、7月末には手術を行った。名古屋場所より一場所前の夏場所も右膝の負傷で休場していた。名古屋場所も含め5場所連続休場で、番付は小結から下がる一方。コロナ禍でのガイドライン違反による6場所出場停止処分明けだった22年名古屋場所以来の三段目転落となっていた。

 年齢も31歳とベテランの域だが、再起に懸ける思いは強い。今年2月26日に大阪市内のホテルで行われた「学生相撲出身力士を励ます会」で取材に応じた際には「ここでやめたら悔いがのこると思った。心は折れそうになったけど。師匠とか、後援会、仲間に支えてもらった。今場所出るのであれば来場所がもっと大事になってくる。朝乃山の相撲が好きだからもう一回見たいとファンに言われた。やめないで、という声をたくさんいただいた。師匠からも30歳だし、しっかり話して頑張ろうと言われた。土俵にもう一回帰りたい気持ちがあった」と復帰への決意を語っていた。

 元大関の実力者として再びの幕内復帰へ。「まだ始まったばかりなんで。ここまで来たら勝ち負けにこだわらず、目の前に集中したい」と復活の一歩を歩み出した。

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