豊昇龍は自分の相撲を取りきることが大切 力をつけている王鵬も楽しみ 武蔵川親方が春場所を展望
「大相撲春場所」(9日初日、エディオンアリーナ大阪)
大相撲春場所は9日にエディオンアリーナ大阪で幕が開ける。最大の注目は2連覇で史上10人目の新横綱優勝を目指す豊昇龍。デイリースポーツ評論家で元横綱武蔵丸の武蔵川親方が展望する。
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新横綱の豊昇龍には頑張ってほしい。番付の一番上なんだから、皆を引っ張ってほしいよ。
豊昇龍は会見で「型がないのが自分の型」と言ったらしいけれど、あまり良いこととは思わないな。たくさん勝つお相撲さんは、自分の型を持っているものだからね。
まずはこれまで通り、元気がいい相撲を取ってもらいたい。前に出ること、圧力をかけることが大事になってくる。もともとなかった頭をつけることなどは考えすぎず、動き回って攻めてほしい。そこから自分の型を見つけてほしいな。
初日は誰もが一番緊張するし、新横綱ならなおさらだろう。見てる方は場所前の稽古、体の状態が分かる楽しみな取組でもあるけれど、場所はいかに流れを作れるかだから。阿炎との一番は大きいな。
自分の新横綱場所(1999年名古屋。12勝3敗。千秋楽で賜杯争いトップの曙を破り、並んだ弟弟子の出島が決定戦で優勝)の思い出?とにかく暑かったことは覚えている。レベルが高い時代だったけれど、流れと調子が良かったら、何でもできる気がしたよ。
次に注目しているのは新関脇の王鵬だね。よく攻めるようになって勢いを感じるし、腰が重いのもいい。どんどん力を付けているから楽しみだよ。大関や他の上位陣も頑張って、横綱を追う展開になったらうれしいな。
豊昇龍は若いし、横綱に上がったことで、もっと成長できるはず。相手のことを考える必要はない。ライバルは自分だと思って、自分の相撲を取りきることが大切なんだ。
春の大阪、皆が頑張って、ケガなく最後まで務めてほしいな。