大会最年少11歳・松島美空 高校生相手に2戦連続撃破で勝利の雄たけび「しゃー!」憧れ早田ひなと夢の対戦へ前進
「卓球・全日本選手権」(21日、東京体育館)
開幕して男女のシングルス1、2回戦が行われ、女子で今大会最年少の11歳、松島美空(みく)=京都=は1回戦で樋口美空(みく)=岡山・山陽学園高=に3-2で競り勝ち、2回戦では戸高彩夢(あむ)=大分・明豊高=に3-0で快勝して3回戦に進んだ。女子で3連覇を狙う早田ひな(日本生命)や、男子で昨年覇者の張本智和(智和企画)らシード選手は、23日の4回戦から登場。ダブルスは今年から別開催で、30日から愛知県豊田市で実施される。
一回りも二回りも大きい相手を次々と破った。11歳7カ月の小学5年生、松島が今大会の女子一般の部最年少として出場し、2戦連続で高校生を撃破。昨年11月のTリーグでは、パリ五輪韓国代表で団体銅メダリストの田志希を倒した新星は「めっちゃうれしいです!」と大喜びだった。
鍛えてきたラリーで、接戦を制した。1回戦は対戦経験のある相手だった。「負けた方が多かった」といい、この日もフルゲームまでもつれ込む大激闘。第5ゲームはジュースに持ち込まれたが、最後は連続ポイントで勝利を収め「しゃー!」と雄たけびを上げた。
2回戦もラリーとなったが、リズムを崩さずストレート勝ち。「1本でも多く粘り続ける練習をしていた。大学生と練習させてもらって、本番の試合を想定しながら練習してきた」とうなずいた。
コーチの父・卓司さんからは精神面でも指導を受けてきた。「負けそうになったら態度に出てしまう。『態度を直せ』と言われていた」。焦りが表に出ることがあり、この日も注意を受けたが「どうしても勝ちたかった」。高校生相手にも臆さず、感情をコントロールして自身にも打ち勝った。
目指すは、パリ五輪銅メダリストの早田だという。「早田選手みたいにオリンピックで活躍できたりとか、メダルを取ったりする選手をまねして頑張りたい」。イベント会場では話しかけてもらったこともあるといい、憧れの大先輩を目指し、腕を磨いていく。
戦ってみたい相手も早田だというが、決勝まで勝ち進まないと対戦がない。まずは3回戦を勝ち抜けば激突する、安藤みなみ(トップ名古屋)との対戦を熱望。「競れるように、競れるように1ゲームでも多く取りたい」。格上にも立ち向かい、さらに上を目指す。
◆松島美空(まつしま・みく)2013年6月24日、京都府出身。コーチの父・卓司さんの元で卓球を教わる。兄はパリ五輪団体戦代表の補欠として同行した輝空(木下グループ)。2024年は全日本カデットU14で3位、全日本ホープスで2位。Tリーグは京都に所属し、昨年11月に11歳4カ月のリーグ最年少勝利を挙げた。147センチ、38キロ。