豊昇龍 全勝の王鵬を止めた 横綱の遺伝子持つ同学年対決 連日500本のてっぽう磨いた突き押し

 「大相撲初場所・7日目」(18日、両国国技館)

 元横綱朝青龍のおいで大関の豊昇龍(25)=立浪=が、昭和の大横綱・大鵬の孫で全勝中だった王鵬(24)=大嶽=との同学年対決を制し、1敗を堅持した。新たに磨いた突き押しの威力を見せつけた。優勝が絶対条件の綱とりへ、望みをつないで中日に突入する。全勝は平幕の千代翔馬、金峰山。豊昇龍、王鵬、玉鷲、尊富士が1敗で続く。大関琴桜は連敗を止めて2勝目を挙げた。

 圧巻の内容だった。豊昇龍は立ち合いでまっすぐ当たり押し込むと、王鵬の左をたぐって背中をとり、密着しながら送り倒した。厳しい表情を崩さず手刀を切り、懸賞の束を受け取った。

 横綱の遺伝子を持つ者同士、前相撲から火花を散らしてきた相手。「同期だし負けたくない気持ちはある」とうなずいた。王鵬の得意な突き押しで圧倒し「今までやってきた稽古を信じて取りました」と胸を張った。

 右四つ、投げを得意とするが、8勝7敗に終わった昨年秋場所を反省して意識を変えた。師匠の立浪親方(元小結旭豊)から「もともと突っ張りはできるので生かした方がいい」と助言を受け、連日500本のてっぽうを自らに課した。

 昨年9月場所限りで引退した元大関貴景勝の湊川親方は「組んだら強かったけれど、今は攻めてから自分の体勢に持ち込む。(自身の現役時に)立ち合いの突っ張りはなかった」と語り「突きも強いし(まわしを)取っても強いから相手は脅威だと思う」と舌を巻く。八角理事長(元横綱北勝海)も「立ち合いは厳しかった。臆することなく突っ込んでいる。圧力が出ている」と評価した。

 前日に横綱照ノ富士が引退。来場所は1993年初場所以来の横綱空位となる可能性がある中で、綱とりは高いレベルの優勝が絶対条件。1敗を維持し望みをつないだ。

 気合に満ちた内容だったことを指摘され「気合を入れないで相撲を取るわけがない」と即答した豊昇龍。朝青龍譲りの荒々しい闘志だけでなく、25回の優勝を果たしたおじの万能型にも近づきつつある。

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