湘南乃海9勝目で単独トップ 小手投げで宝富士破り2敗守る 師匠は苦言でハッパ「勝ったってだけ」

 「大相撲夏場所・11日目」(22日、両国国技館)

 平幕湘南乃海が2敗で首位に並んでいた宝富士を小手投げで退け、9勝目を挙げて単独トップに立った。中学校を卒業してから入門し、幕下暮らしが35場所と長かったたたき上げが、優勝争いをリードする立場となった。小結大の里は大関豊昇龍に下手投げに敗れ3敗目を喫し、大関琴桜ら6人が3敗で湘南乃海を追う展開。再出場した関脇若元春は平戸海に敗れて負け越しが決まった。

 優勝争いの直接対決でも、湘南乃海は落ち着いていた。左を差して前に出る宝富士を右で抱え込んでの小手投げ。37歳の歳の大ベテランを一回転させた。反応のいい動きを「集中できた」と振り返り、「集中して対応できて良かった」と言葉を重ねた。

 自身の取組後に大の里が敗れたため、単独トップに浮上。それでも、師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)は「勝ったってだけ」と戒め「いい相撲もあるけど、半分はいなしとかはたきですからね。決まらなかったら、それ全部負けたら大した勝ち星じゃない」と、あえて苦言を呈した。

 194センチ、190キロの体格を誇る湘南乃海。小学校卒業時には、すでに189センチもあった。中学校までは野球に打ち込み、ポジションは投手。相撲未経験の15歳で入門した。3年足らずで幕下に昇進も、そこから新十両まで6年。時代は平成から令和に移行していた。

 「折れそうな時が何回もありましたけど、腐ったりとかもありましたけど、我慢ということを学びました」。長い幕下生活で覚えた我慢、そして師匠からかけられた「早さではなく、最後にどこまでいったかが勝負だ」という言葉を「自分の中での支え」にしている。

 12日目の相手は関脇阿炎。トップに立ち、今後は上位陣との対戦が予想される。だからこそ、師匠は「今の相撲で上位に通用するのかどうかってことですよね」とハッパをかけた。「一日一番なのは変わらないので、明日も集中して頑張ります」と湘南乃海。この日も叱咤激励してくれた師匠の思いを背に受け、栄光に向けて終盤戦に挑む。

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