宇良「無我夢中でした」霧島を突き落とし1場所2大関撃破!ご当所パワーで劣勢逆転

 「大相撲春場所・3日目」(12日、エディオンアリーナ大阪)

 大阪府寝屋川市出身の平幕宇良が、大関霧島を突き落としで撃破した。初日の豊昇龍に続いて大関を破り、白星を先行させてご当所場所を盛り上げている。横綱照ノ富士は朝乃山を寄り切って2勝目。新大関琴ノ若は小結錦木を、かど番の大関貴景勝は明生を退けて、ともに連敗を阻止した。

 ご当所のパワーが宇良の背中を押した。突き放されて一度は俵を背負ったが、タイミング良くしゃがみ込んで相手の意表を突き、バランスを崩した霧島を左に回り込みながら突き落とした。直近で7連敗中だった難敵から白星を挙げ、豊昇龍戦に続いて1場所で2大関を撃破。「覚えてないです」といつもの口調で振り返りつつ「無我夢中でした」と大きくうなずいた。

 寝屋川市出身で、関学大卒。土俵入りの時からひときわ大きな歓声が起こり、取組時には顔写真入りのうちわ、しこ名が入った締め込みと同じピンク色のタオルが観客席で多く揺れた。生まれ育った土地でアパート生活は疲れを癒やすのに最適だといい、食事も何より自分好み。「大阪はとても過ごしやすくて好きです」。肌から感じる空気感が、15日間続く戦いのリフレッシュになっているという。

 新小結として臨んだ先場所は、6勝9敗と負け越した。2月に京都市内で開かれた小結昇進パーティーには陥落が決まって臨んだが、そこで後援会の方からかけられた言葉は温かいものばかりだった。「励ましの言葉をたくさん頂けた。頑張ろうと思います」。目指すは三役復帰。ファンからの声援が原動力となっている。

 4日目は、不戦勝を除いて直近6連敗中の貴景勝戦。状態の良さは「分からないです」と本人は首をひねるが、上位と連戦が続く前頭筆頭として臨む序盤戦で2勝を挙げているのが、動きの良さを示す何よりの証拠だ。「一生懸命、頑張ります」。声援を力に変え、春場所を盛り上げていく。

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