「スケートボード・ストリート世界選手権」（１７日、有明コロシアム）

　日本初開催で、来夏のパリ五輪予選第５戦を兼ねる男子決勝が行われた。２１年東京五輪代表の白井空良（ムラサキスポーツ）が初優勝。２位には根附海龍（かいり）、３位には五輪王者の堀米雄斗（ＭＩＸＩ）が入り、日本勢がメダルを独占した。

　白井は４５秒の間に技を自由に繰り出す「ラン」をミスなく終えて２位につけると、一つの技の完成度を争う「ベストトリック」では高得点の９０点台を連発。自身初の世界一を決めた。「俺ってやっぱり持ってるな」と、冗談を飛ばして報道陣を笑わせつつ「この大会にかけていた。本当に信じられない気持ちで、すごくうれしい」と笑顔で語った。

　プロ野球のＤｅＮＡから自由契約となったトレバー・バウアー投手を彷彿（ほうふつ）とさせる、刀で切るように両手を振り下ろすしぐさがセレブレーション。今季の国際大会で行った際に海外選手からの評判が良く、現在も続けている。この日も高難度の技を決めるたびに“侍ポーズ”を披露。集まった観客を沸かせた。

　自身初の世界一に興奮冷めやらぬ様子で、取材場所には「チャンピオン入りま～す」と登場。おちゃめで明るい性格も白井の特徴の１つだ。今大会の結果により、世界選手権を６度制したナイジャ・ヒューストン（米国）を抑え、パリ五輪選考ランキングも日本勢トップを堅守。予選落ちとなった東京五輪のリベンジに燃える新王者は「五輪は一番悔しかった。次に向けて頑張っていきたい」と来夏を見据えた。