18歳の吉田陽菜 GP初優勝 連続ジャンプ決め巻き返し「勝てたことに、とても驚いている」
「フィギュアスケート・中国杯」(11日、重慶)
女子はショートプログラム(SP)3位だった18歳の吉田陽菜(木下アカデミー)がフリー1位の合計203・97点でGP初優勝を果たした。GP2戦目で表彰台も初めて。渡辺倫果(TOKIOインカラミ・法大)がSP、フリーともに2位の合計203・22点で2位。男子は今季初戦でSP首位の宇野昌磨(トヨタ自動車)がフリーは2位の合計279・98点で2位。SP2位のアダム・シアオイムファ(フランス)がフリー1位の298・38点で第3戦フランス大会に続いて優勝し、ファイナル(12月・北京)進出を決めた。
フリーの演技後、更衣室に戻っていた吉田に渡辺から朗報が伝えられた。SP首位だったヘンドリックスが最終滑走で失速し、GPデビューから2戦目での頂点。「正直、優勝を目標にしていなかった。とても驚いている。実感できていない」と目を丸くした。
冒頭の大技トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)はわずかに回転不足と判定されて着氷も乱れたが、こらえた。尺八の音色に乗って、鶴を表現した演目を伸びやかに滑る。「お客さんがいる(客席の)一番上まで羽ばたこうと思って胸を張って滑れた」。他のジャンプで細かいミスがあっても、ステップやスピンで最高難度のレベル4を獲得。技術点はトップでSP3位から逆転した。
フィギュア王国、愛知県出身で今季からシニアに本格参戦した18歳の有望株。第1戦スケートアメリカの4位から躍進し、シリーズ上位6人で争うファイナル進出の可能性も出てきた。「点数も順位も、もっと上を目指せる。トップで戦っていけるように、もっとレベルアップしたい」と目を輝かせた。
◇吉田陽菜(よしだ・はな)2005年8月21日生まれ。名古屋市出身。22年ジュニアGPで2勝を挙げ、ファイナルでは6位。23年四大陸選手権8位。全日本ジュニア選手権は19年3位、20年2位、21年4位。全日本選手権は21年9位、22年6位。今季シニアのGPデビューを果たし、スケートアメリカ4位。大技・3回転半が武器。愛知・中京大中京高3年。趣味はお城巡り。155センチ。





