やり投げ北口榛花 最高峰大会で日本勢初V 「正直、体は限界だった」
「陸上・ダイヤモンドリーグ・ファイナル」(16日、ユージン)
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)の年間上位者で争う大会が開幕し、女子やり投げで世界選手権金メダルの北口榛花(25)=JAL=が63メートル78で優勝した。日本勢がファイナルを制するのは初めてで、北口は今季4勝目、通算6勝目となった。男子3000メートル障害で世界選手権6位の三浦龍司(順大)は8分15秒45で5位だった。
また一つ勲章を加えた。8月に世界選手権を制したばかりの北口が、今度は最高峰シリーズで年間女王に輝いた。25歳の日本記録保持者は、満面に笑みを浮かべてトロフィーを掲げ「今日必要だったのは勝つこと。しっかりこの場で勝てたことが、すごくうれしい」と声を弾ませた。
欧州から大会前々日の14日に米国入り。連戦と移動の疲労で「正直、体は限界だった」と言う。それでも2回目に63メートル78まで伸ばしてトップに浮上すると、その後は誰も北口の記録に迫れず、2位に2メートル48の大差をつけて逃げ切った。
今季はDLで5戦4勝、2位が1回と圧倒的な成績。日本記録も2度塗り替えて67メートル38まで伸ばした。「シーズンが終わりに近づき、疲れてきている中で63メートルを投げられたのは良かった」。67メートル98のアジア記録の更新も視野に入れている。
来年のパリ五輪は金メダル候補となる。「他の選手もまた一段上げてくるので、それについていけるようにしたい」。油断なく、さらなる飛躍を誓った。
◆北口榛花(きたぐち・はるか)1998年3月16日、北海道旭川市出身。旭川東高から日大に進み、19年に2度日本記録を更新した。東京五輪では同種目で57年ぶりに決勝に進み12位。昨年はDLで日本勢初優勝を果たした。世界選手権で3位に入って日本女子投てき種目で初メダル。今年7月に67メートル04をマークして4年ぶりに日本記録を塗り替えると、9月のDL第13戦で67メートル38を出し、さらに更新した。179センチ。
◆ダイヤモンドリーグ 2010年に新設された世界最高峰シリーズ。17年に新方式に変更され、年間成績上位者がファイナルに進出して総合優勝を競う。ファイナルは種目ごとに定められた6~10選手で争われ、優勝者には賞金3万ドル(約443万円)などが与えられる。





