【柴田亜衣氏の目】池江選手は決勝で復帰後のベストが出れば結果はついてくる
「競泳・世界選手権」(28日、マリンメッセ福岡)
競泳女子50メートルバタフライ準決勝で池江璃花子(横浜ゴム)は25秒72の全体5位で決勝に進出した。相馬あい(ミキハウス)は15位で決勝に進めなかった。男子200メートル平泳ぎで渡辺一平(トヨタ自動車)は2分8秒78で6位。同200メートル背泳ぎの柳川大樹(イトマン港北)は1分58秒75で8位だった。
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決勝に残るという池江選手の強い気持ちを、最後のタッチに感じました。ラスト5メートルの前ぐらいから疲れてきたのかな、と一瞬思ったのですが、タッチがどんぴしゃ合った感じでした。僅差のタイムの中に選手がひしめき合うようなレースで決勝に進んだのは、気持ちの部分も非常に大きいです。最後まであきらめない、強い気持ちで泳いでいました。
今大会は少し出遅れてしまうこともあったので、そこは池江選手も分かった上でのレースだったでしょうし、遅れても動じずにいけたのではないかと思います。隣のショーストロム選手が、予選よりもタイムを上げてくるのは分かっていたことでしょう。
自分の隣で強い選手が泳ぐことの影響は、選手にもよると思います。速い選手がいるから緊張したり、最初に離されたからやっぱり駄目だ、と思ってしまう選手もいるかもしれません。逆についていけば決勝に残れるとか、ベストが出るかもしれないとして目標にする選手もいるでしょう。だれしもにプラスに働くわけではないと考えています。
ただ、池江選手は、ほかの選手うんぬんよりも、自分のレースに集中していたのではないでしょうか。50メートルなので周りを見ていたり、感じたりしている暇はないでしょうし、毎日のようにレースをこなして疲れもある中、決勝に残るために、やってきたことをしっかり出すことに集中した結果だと思います。
50メートルにおける0・1秒や0・2秒は、例えば少しスタートに出遅れたとか、ちょっとした原因で変わってくると思います。決勝に進めたからそこは修正してくるでしょうし、あとはいくだけです。準決勝よりも気持ちは楽に泳げるはずです。タイムは上げられると期待しています。
復帰後のベストが出れば、結果はついてくると思います。ただ本人はメダルということで挑んできている感じではないですし、あまり欲を出さないように、決勝を楽しんだ方がいい結果が出るのではないでしょうか。
渡辺選手は、本人のレース後の話を聞いて、調子がすごくいいわけではなかったのかなと思うので、前半から積極的にいってどこまで粘れるか、というレースをしたのだろうなと感じました。あれだけのスピードで入れたのは、自分の中で来年への強みになると思います。積極的にいけたことを自分の強みとして、レースを通して感じてもらえると、必ず今後に生きると思っています。(2004年アテネ五輪女子800メートル自由形金メダリスト・柴田亜衣)





