ラグビー代表・松田力也「10」つかむ 大けが乗り越え595日ぶり代表戦

 「ラグビー・リポビタンDチャレンジカップ、日本-オールブラックス・フィフティーン」(8日、秩父宮ラグビー場)

 日本代表が7日、ニュージーランド代表入りを目指す選手らから構成されるオールブラックス・フィフティーン(XV)戦に向け、試合会場で冒頭部分を除く非公開で前日練習を行った。先発するSO松田力也(29)=埼玉=が左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを乗り越え、21年11月のスコットランド戦以来となる代表戦に復帰する。国際試合での完全復活でジャパンの「10」をつかみ取る覚悟を示した。

 苦しい時期も耐えて日本代表に戻ってきた。「この場所に戻りたいと強く思った。ラグビーができる幸せを感じながらプレーしたい」。松田は21年5月に左膝前十字靱帯を断裂。手術も経験したが、9月開幕のW杯まであと2カ月となる今季最初の代表戦で先発する。

 リハビリ期間も成長を求めた。チームメートの堀江を指導するアスレチックトレーナーの佐藤義人さんの指導で筋力強化を徹底し、左脚は負傷以前よりも太くした。今季リーグワンでは17試合に出場しベストキッカーに選ばれ、21年11月20日のスコットランド戦以来となる595日ぶりの代表復帰戦につなげた。

 今回は李と定位置を争う。だが、ジャパンの10番を譲れない思いは誰よりも強い。19年W杯日本大会では田村優の存在もあり、出場4試合は全てリザーブからだった。「その(10番への)思いは19年が終わった時から持っている」と、4年間悔しさを忘れることなく2度目の大舞台を見据えてきた。

 今回はノンキャップ5人がメンバー入りと、より司令塔としての手腕も問われる。七夕の願いごとを聞かれると「そういうのを考える時間はなかった(笑い)」と松田。目の前の一戦だけに集中し、ファンにも首脳陣にも完全復活を印象づける。

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