「柔道・全日本学生優勝大会」（２５日、日本武道館）

　体重無差別の７人制団体戦で争う男子は、世界選手権１００キロ超級代表の斉藤立（４年）を擁する国士舘大が２００７年大会以来、１６年ぶり７度目の優勝を果たした。決勝は、６連覇中の東海大に３－０で勝利。１－０で迎えた６人目の副将戦で、斉藤が中村雄太（東海大３年）を相手の反則による一本で下し、決着をつけた。

　斉藤が「屈辱的」と称した１年を自ら終わらせた。副将戦で投げることはできなかったものの「最後は気迫を前面に出した」と前進し、優勝を決めると拳を握って仲間に誇示。男泣きしながら「すごくうれしい。最高です」と歓喜に浸った。

　前回も決勝で東海大と対戦し１－１で迎えた代表戦で、斉藤は９０キロ級の村尾三四郎と１６分超の死闘を演じたが、最後はまさかの一本負け。「昨年負けて（今年）優勝できないと一生心残りだった。トラウマだったが、昨年の借りを返せた」と胸をなで下ろした。

　北京五輪金メダルの石井慧を擁した０７年大会以来の日本一奪還。故斉藤仁さんを父に持つ２１歳の大器は「人生で忘れられない１日になった。個人戦が五輪まで続くので、この経験を糧にさらに成長したい」と力を込めた。