プロ転向の小林陵侑 独立きっかけは北京五輪金メダル ジャンプ界巡る現状に危機感「変わらなかったらマズイな、と」
ノルディックスキージャンプ男子で、22年北京五輪ノーマルヒル金メダリストで、プロ転向を表明した小林陵侑(26)が3日、自身のYouTubeチャンネルに新規投稿した動画で経緯を語った。
土屋ホームからの独立を考えたきっかけは「(北京)五輪で金メダルを取って、シーズンオフのタイミングで独立を考えました。ジャンプ界がこのままいったら、変わらなかったらまずいなと思ったので独立を考えるようになりましたね。もちろん目標だった金メダルを取ることができて、心境の変化もあったと思うんですけど、それ以上に、僕は前からジャンプ界盛り上げたいなって思っていて、すごく五輪って、一時の、一過性のものだなと思いましたし、なんかこの今後どう繋げていくかが大事なんじゃないかなと思ったのがきっかけですね。(金メダルで)自分自身にも自信がつきましたし、やるしかないなと」と、明かした。
今後については「ジャンプ選手としてノリさん(師匠の葛西紀明)みたいに、長く強く続けるのはすごく大変なことだと思うので、僕はこれからも勝ちを積み重ねていきたいなと思いますし、お手本になれるような選手になりたい。いちおう札幌五輪を誘致してるらしいので、そこでベストパフォーマンスできればしたい」と語り、プロとしてやりたいことについては「具体的には底上げ。最近そういうチャンスもあんまりないですし、若い選手がどんどん欧州に出て活躍できて、誰がでても団体金メダルとれますみたいなそういう強い国にしたい」と語り、ジャンプ以外での挑戦については「今までもモデルとかやらせてもらったりしましたけど、そういうところでも活躍できればいいなと思いますかね。若い人たちが輝いて達成感をもてる場所を提供していければ」と、思い描いた。
1番変わる部分については「いちおう会社員だったので、発言とか気をつけて本当の自分をみせられないところもあったんですけど、そのフィルターがなくなって、自分の発言は自由にできると思うんですけど、それがたぶんもろ自分に返ってくるので、そういうところに責任を持ちながらやっていきたい」と、明かした。
小林はこの日、公式サイトで、土屋ホームから独立し、プロに転向したことを発表していた。ホームページに記載された全文は次のとおり。
「2023年度 スキージャンパーの小林陵侑は8年間、お世話になった株式会社土屋ホームを独立しプロアスリートとして活動していきます。
アスリートはこうあるべきだとか そういった事は考えず 心の感じるままに 面白いって思った事をやって 『ぶっ飛んでいく』
もちろん全てに言い訳はできなくなると思いますが自分は自分らしく。
これからの僕の新しい挑戦を温かく見守っていただければ嬉しいです。」
小林は今季、世界選手権の個人ラージヒルで銀メダルを獲得。W杯でも3勝を挙げ、史上7人目となる通算30勝に到達した。
15年に岩手・盛岡中央高から土屋ホーム入り。3個の五輪メダルを持ち、チームで選手兼監督の葛西紀明から指導を受け、18年平昌五輪に出場。昨年の北京五輪では個人ノーマルヒルで金、同ラージヒルで銀メダルに輝いた。