貴景勝 早くも2敗で綱とりピンチ 左足のケガ影響?佐渡ケ獄審判部長「かばっている」

 貴景勝(左)がはたき込みで阿炎に敗れる
 前日痛めた左膝にテーピングをして出場した貴景勝(撮影・和田康志)
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 「大相撲春場所・4日目」(15日、エディオンアリーナ大阪)

 大関貴景勝は平幕阿炎にはたき込まれ、2敗目を喫した。前日の取組で左足を痛めた影響を感じさせる黒星。綱とりへ、序盤でピンチに陥った。小結大栄翔は御嶽海を突き出し、三役以上ではただ1人の4連勝スタート。関脇若隆景は正代に押し出されて4連敗。全勝は大栄翔、高安ら5人となった。

 動かない足がもどかしい。貴景勝の綱とりに黄信号がともった。立ち合いは踏み込んだが、阿炎のはたきに簡単に体が泳ぐ。頭を押さえつけられると踏ん張れず、バタバタと土俵を割った。

 3日目の正代戦後、左足を引きずるように引き揚げた。この日は、左膝に前日なかったテーピング。覚悟を持って土俵に上がったものの、影響は明らかだった。痛い黒星に視線を落とすと、取材には応じず帰路についた。

 土俵下で見守った佐渡ケ獄審判部長(元関脇琴ノ若)は「ちょっとかばっているような感じでしたね。本来の貴景勝の足腰だったら残しますから」と指摘。綱とりに関しては「まだ2敗と思って、気持ちを切らさず頑張ってほしい」とエールを送り「ただ、ケガだけが心配」と気遣った。

 1場所15日制が定着した1949年夏場所以降に誕生した33人の横綱のうち、5日目までに2敗して昇進したのは、59年春場所の朝汐のみ。手負いとなった貴景勝が挑むハードルは高い。番付発表時には「何度もないチャンス。ここで後悔するようなことがあったら、一生忘れないと思う。それだけはしたくない」と話していた。早くも訪れた危機。諦めずに死力を尽くすしかない。

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