ユニクロ柳井社長、車いすテニス確立の国枝慎吾に賛辞「経営者の才能」「新しい産業つくったのと一緒」

 引退会見する国枝(撮影・棚橋慶太)
 会見する国枝(撮影・棚橋慶太)
 ユニクロ・柳井社長(左)からケーキを贈られ笑顔の国枝(撮影・棚橋慶太)
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 車いすテニスで東京パラリンピック金メダルなど数々のタイトルを獲得した国枝慎吾(38)=ユニクロ=が7日、都内で引退会見を開き、「やり切った。最高のテニス人生を送れた」と晴れやかに語った。所属のユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正社長(74)も同席し「少しだけ寂しくなるが、プロとしてできることは全てやった。新しい国枝慎吾の誕生という意味で今日はめでたい日」とねぎらうとともに、国枝のビジネス界転身にラブコールを送った。

 柳井氏は09年4月に日本パラアスリートとして初めてプロ転向した国枝について「大丈夫かな」といぶかしがる気持ちもあったと振り返ったが、その後の活躍で認識を改めさせられたといい「車いすテニスが(国枝によって)立派なプロのスポーツになった。非の打ちどころのない、世界一のグローバルアンバサダーだと思っている」と称賛。「素晴らしい人格と生活態度であらゆるタイトルを取り、世界中の人々に温かい声援を受けて、飛び抜けて地頭がいい」と最大級の賛辞を贈った。

 また、国枝の才能を見込んで、現役時代から度々ビジネスへの転身を誘っていたといい、この日の会見でも「今世界が一番困っていることに対して力になりたい。その中でも僕は子どもたちと若い人の力になれるようなことで、(非営利の)NPOやNGOとかではなく事業として、国枝君と何かできればうれしいなと思うが、どうですか?」と語りかけた。

 国枝自身は「現役中もよく柳井社長に『終わったら何をやるんだ?』『一緒にビジネスをやろうぜ』とお声がけいただいたが、考えても答えが出てこない。なんとなく何をしていきたいかぼんやりと出てきたが、まだ心の奥に秘めておきたい」と明言はしなかったが、柳井氏は「経営者として才能があると思う」と太鼓判。「(人が)やってないことをやる。車いすテニスという新しいスポーツのジャンルを確立したのは、新しい産業をつくったのと一緒だと思うんですよ。ファッション業界(で成功する)よりよっぽど難しい」と非凡な才覚と胆力にうなった。

 引退後もユニクロとして協力態勢を続けるといい、柳井氏は「これからが人生の本番。今後も最大限応援していきたい。一緒に、世界の中での日本をより良く変えていきましょう。日本は残念ながら今閉塞状態だが、若い人が希望を持ってやっていくロールモデルとして、これからの国枝君に期待している。頑張ってください」とエールを送った。

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