池江璃花子「自信が持てない」「パリ五輪でメダル獲得の目標は大きすぎる」複雑胸中明かす

 「競泳・東京都新春競技会」(7日、東京辰巳国際水泳場)

 21年東京五輪代表の池江璃花子(22)=ルネサンス=が新年初レースに臨み、50メートル自由形では24秒76で2位、同バタフライでは25秒86で1位だった。

 12月24日から行っていた合宿の一環として参加。年明け初戦で初勝利を飾ったものの「短水路は全く自信がない中で泳いでいた。思った以上に体が動かなくて、思ったレースプランができなかった」と暗い表情。試合後は現在抱えている複雑な胸中を語った。

 「病気から復帰したときに(24年)パリ五輪でメダルを目指したい話はしたけど、思っている以上に病気の1年間のブランク大きくて、人は戻れているように見えて戻れていないことが分かった。もちろんパリで活躍したい気持ちはあるんですけど、今はその自信がない。まだパリでメダルを獲得する目標は大きすぎる」

 19年に白血病が発覚し、懸命なリハビリの末に東京五輪に出場。同大会はリレー種目のみの出場だっただけに、昨年は個人種目の日本代表入りを目標に掲げた。しかし3月の選考会では派遣標準タイムにわずか届かず涙を流した。10月の日本短水路選手権以降は強化トレーニング、気持ちの整理を含めて国内主要大会を欠場した。

 「自信が持てない」と取材中に何度も口にしていた池江。理由は本人も整理できていない。「前は『頑張れたな』と1日を終わることができた。今はどんだけ頑張っても自分を認めることができない。何で認められないかが分からない。タイムも悪くないけど自分を肯定できない、否定ばっかりしている」と苦しんでいるという。

 24年パリ五輪までは1年半。今季7月には福岡で世界選手権が開催され、その選考会となる日本選手権は4月。「水泳が好きとか、練習が好きという気持ちはずっと変わらずにやってこれている。試合に出ることが楽しいと改めて思える年にできたら。水泳選手というより人として自分を褒めてあげたい」と新年の抱負を語った。

 言葉を詰まらせながらも最後は必死に前を向き「まずは代表に入れるように。結果が全てと思ってしまうと気持ち的にしんどくなってしまう。まずは小さなことから積み上げられたら」と語った。

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