レスリング・藤波朱理が圧巻V パリ五輪前進でうれし涙「不安も重圧もあった」公式戦106連勝

 全日本3連覇を飾り、笑顔の藤波朱理(撮影・高石航平)
 全日本3連覇を果たし、父・俊一コーチ(右)と握手を交わす藤波朱理(撮影・高石航平)
 全日本3連覇を果たし、拳を握る藤波朱理(撮影・高石航平)
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 「レスリング・全日本選手権」(25日、駒沢体育館)

 24年パリ五輪代表の1次選考会として行われた。女子53キロ級決勝は、21年世界選手権覇者の藤波朱理(19)=日体大=が、元世界女王の奥野春菜(23)=自衛隊=に5-0で勝利。3年連続3度目の優勝で、五輪切符に一歩前進し「53キロ級は絶対に自分がパリ五輪に出て優勝します」と強く宣言した。また、中学2年から続く自身の公式戦連勝記録を106に伸ばした。

 「パリ五輪の星」と期待される中で重圧をはね返した藤波は、セコンドの父俊一コーチとガッチリ握手し、両手をたたいて頬を緩めた。競り合いの中で着実にポイントを重ね、懐の深さを生かしながら元世界女王を完封。「本当にうれしいです。必ず勝ち切りたかった。とりあえず勝ててホッとしています」と声を弾ませた。

 人生初の五輪選考会という大一番を前に、相次ぐケガにも見舞われた。9月には左足甲のじん帯損傷で連覇が懸かっていた世界選手権を断念し、10月は左膝の蜂窩(ほうか)織炎でU23世界選手権を欠場。1カ月レスリングから離れた時期もあったが、今大会に照準を合わせてコンディションを整え、フタを開けてみれば3試合全て無失点で完勝。「これまでで一番の仕上がりという自信があった。不安もプレッシャーもあったが、勝ち切れてよかった」。極限の緊張感からの開放感で目には涙もにじんだ。

 東京五輪金メダルの志土地(旧姓向田)真優(ジェイテクト)は準決勝で敗退。今回初対戦は実現しなかったが、来年6月の明治杯全日本選抜選手権に向けて強力なライバルの1人になる。代表争いで先行した19歳は「パリ五輪は小さい頃から目指していた場所。必ずパリ五輪で優勝するのは自分だという強い気持ちを持ってやっていきたい」と決意を新たにしていた。

 ◆レスリングのパリ五輪への道 今大会の覇者は、来年6月の明治杯全日本選抜選手権も優勝すれば同9月の世界選手権代表となり、勝者が異なる場合はプレーオフを実施。来年の世界選手権で3位以内に入れば、パリ五輪代表に決まる。

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