伊藤美誠 ひな、佳純ねじ伏せ逆襲V 5番手から五輪争い2位浮上「すごく大きな勝ち」
「卓球・全農カップ・トップ32」(4日、アクシオン福岡)
第2回パリ五輪代表選考会として行われた。女子決勝は、東京五輪代表の伊藤美誠(21)=スターツ=が石川佳純(全農)に4-0でストレート勝ちして初優勝。準決勝では選考大会2連勝中の早田ひな(日本生命)を4-3で下した。伊藤は選考ポイントで大会前は5番手だったものの、2位に浮上した。
パリへと続く代表レースでまさかの出遅れを喫していた伊藤が、ついに本領を発揮した。準決勝で早田、決勝で石川と強敵を撃破。選考会3大会目にしてようやく頂点に立ち、「気持ちも1番入っていた。前とはちょっと違う、挑戦者の気持ちで向かっていくことがすごく大事だなと思って(プレーできた)」と実感を込めた。
最大の試練となった準決勝は盟友の快進撃を止めた。ここまで選考会全勝の早田と技術、戦術を全てぶつけ合い、3-3でフルゲームに突入。息もできない局面の連続だったが、「挑戦者の気持ちが一番大事」とミスを恐れず先制攻撃に徹した。最終ゲームは10-4から5連続失点で追い上げられても「ここで仕留める」と奥歯をかみしめ、執念で決勝点を奪取。思わず「よっしゃ」とつぶやき、うなずくように何度も小さく拳を握った。
東京五輪で金メダルを含むメダル3個を手にし、世界ランクは日本勢トップの5位。それでも選考会では早期敗退を喫し「国内で戦う方が難しい」と唇をかんだ。全方位から挑戦を受ける女王だからこそ「相手も向かってくるが、上回れるくらい強い気持ちが必要」と再確認。“国内仕様”スタイルを模索し、反撃態勢を整えた。
5番手と出遅れていた選考ポイントで50点を追加し、2位に浮上。「すごく大きな勝ち」。ただ、今後も同じ顔ぶれでの戦いが約2カ月スパンで続くとあって「1位(早田=115点)は飛び抜けていて2位以下は接戦。他の選手も1大会ごとに実力が上がってくる。自分もさらに上を目指したい」。大魔王の逆襲は始まったばかりだ。
◆卓球のパリ五輪への道 日本協会はパリ五輪に向けて、従来の世界ランキングに準じた代表選考から、国内選考会を重視する方針に転換。計6回のパリ五輪代表選考会や全日本選手権、世界選手権個人戦、Tリーグ個人成績など、各大会にポイントを設定し、24年1月の全日本選手権終了時の合計ポイントで上位2人がシングルス代表に決まる。この選考基準は23年9月までに正式決定する見込み。





