平幕・錦木 自己最速で勝ち越し決める 引退した友・松鳳山に届ける快進撃
「大相撲名古屋場所・10日目」(19日、ドルフィンズアリーナ)
平幕錦木が千代翔馬を押し出し、自己最速の10日目で勝ち越しを決めた。優勝争いでも2敗でトップを並走。6月に現役引退した同期の元小結松鳳山に快進撃を届ける。横綱照ノ富士は万全の内容で2敗を維持。貴景勝、正代の大関2人も、そろって白星を挙げた。優勝争いは2敗が照ノ富士と錦木、逸ノ城、翔猿の4人。3敗が貴景勝ら3人となった。
友への思いも胸に、錦木が幕内一番乗りで勝ち越した。千代翔馬に左上手を許しながらも圧力をかけ、相手が左で振ろうとしたところをすかさず前に出て、押し出し。「勝ち越しはうれしいですね」と相好を崩した。
2006年春場所でともに初土俵を踏んだ松鳳山が6月に引退。自身が7学年も下だが、錦木にとっては「いろいろ話したり、ご飯に一緒に行ったり、気兼ねなく仲良くさせていただいた」という同期だった。今場所は松鳳山の浴衣で場所入り。「15日間、着ようかなと思う」と明かし「引退は寂しいけど、元気な姿を見せることができてよかった」と胸を張った。
大の酒好きだが、コロナ禍で出歩けず「真面目な生活になった」と酒量ダウンに成功。それでも「毎日飲んでます。今日も飲みます」と笑顔で宣言。自室での晩酌はリフレッシュに欠かせない。首位タイで迎える終盤戦にも「とりあえず2桁。小さい目標で頑張ろうと思う」。控えめで友思いな31歳が、V戦線を盛り上げる。



