初心に戻った朝乃山 ちゃんこ番や掃除も率先 猛省の日々を経て、みそぎの土俵へ
「大相撲名古屋場所」(10日初日、ドルフィンズアリーナ)
元大関朝乃山(28)=高砂=が、6場所連続出場停止が明けた名古屋場所で、西三段目22枚目で復帰する。猛省の1年、朝乃山は周囲が驚く程、心が変わった。昨年6月、厳罰処分が下った後、師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)から「文章を読んでおきなさい」と後援会への謝罪文を読むように言われた。
自身の不始末、かけてしまった迷惑を朝乃山は痛感した。部屋の裏方さんも含め、一人一人に「本当に大変なことになり申し訳ないです」と頭を下げた。
相撲界は番付社会。大関昇進後は特に周囲も気を使い、距離ができた。だが、地位を失ったことで朝乃山は初心に戻っていった。
部屋関係者は「ちゃんこ番もやっている。部屋の掃除も率先してやっている」と明かす。部屋内でも気の使いすぎを改めた。「何かあったら遠慮なく口出ししていく」とキッパリ本人に告げた。
「もともと不真面目ではないけれど、前よりも僕らの話を謙虚に聞く感じになった。若い衆とも仲良くするようになった」と、一から出直す姿勢を周囲が感じている。
昨年の8月16日には父の石橋靖さんが64歳の若さで急逝。精神的につらい日々もあった。部屋関係者は言う。「何とか乗り越えようと、稽古も本当に真面目にやっている。勝つことで返していくしかないと本人も思っているはずですよ」。みそぎの土俵に間もなく立つ。




