24歳新星・坂井隆一郎が世界選手権内定 日本歴代7位タイ10秒02「9秒台は狙いたい」

 世界選手権代表に決まった坂井隆一郎
 男子100メートル予選で10秒02をマークした坂井隆一郎
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 「陸上・布勢スプリント」(26日、ヤマタスポーツパーク陸上競技場)

 男子100メートル予選で、日本選手権2位の坂井隆一郎(24)=大阪ガス=が自己記録を0秒08更新する日本歴代7位の10秒02(追い風1・1メートル)で5組1着となった。世界選手権(7月、米オレゴン州)の参加標準記録10秒05を突破し、代表入りを決めた。決勝は棄権。デーデー・ブルーノ(セイコー)が10秒20(追い風0・1メートル)で優勝した。東京五輪代表の小池祐貴(住友電工)は3位、柳田大輝(東洋大)は5位。同110メートル障害は東京五輪代表の高山峻野(ゼンリン)が予選で13秒31(追い風0・5メートル)を出し、世界選手権の参加標準記録(13秒32)を突破した。

 成長著しい24歳が初の世界切符をつかみとった。軽快なスタートを切った坂井は大きく抜け出すと、ぶっちぎりでゴール。大きく手を叩いて右手を突き上げた。速報値は10秒03。大阪ガスの先輩、朝原宣治に並ぶ日本歴代7位の10秒02が出ると「(参加標準記録を)切れて本当に良かった」と両手で渾身(こんしん)のガッツポーズを作って喜んだ。

 日本短距離界の新星だ。大阪府豊中市出身で、大阪高、関大を経て20年に大阪ガスに入社。社会人3年目、今月の日本選手権でサニブラウンに次ぐ2位と大躍進した。

 好調の理由は肉体強化だ。体重は昨年から3キロ増えて64キロ。筋力がつき「後半を上半身で持っていけるようになった。やりたい腕振りや足の軌道が楽にできる」と走りが強化された。東京五輪は右太ももの肉離れもあり、代表入りを逃した。「悔しいのがでかかった」と、闘志を燃やして飛躍につなげた。

 今大会で大きな手応えも得た。「9秒台は今年、遅くても来年ぐらいには狙っていける」。日本人5人目の大台への道は見えている。世界選手権も「9秒台は狙いたい。決勝にいけるような走りをできれば」と見据えた。

 出場の可能性がある400メートルリレーでは得意のスタートを生かした1走を希望。「選んでもらえたら、メダル獲得に貢献したい」。さらなる飛躍で、日本短距離界の新エースとなる。

 ◆坂井隆一郎(さかい・りゅういちろう)1998年3月14日、大阪府豊中市出身。中学1年で陸上部に入ったことで競技を始めた。大阪高、関大を経て、大阪ガスに所属。今月の日本選手権(大阪)は当時自己ベストの10秒10で2位だった。印象深い五輪レースは、ウサイン・ボルトが当時の世界記録を出して金メダルを獲得した08年北京五輪。「すごく鮮明に覚えている。夜起きて見た覚えがある」。171センチ、64キロ。

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