31歳11カ月で新十両の千代栄 戦後4番目の高齢昇進に「年をとったって上がれるんだぞと」

 新十両昇進が決まり、笑顔の千代栄(日本相撲協会提供)
 新十両昇進が決まり、笑顔の千代栄(右)と九重親方(日本相撲協会提供)
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 日本相撲協会は25日、名古屋場所(7月10日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を開き、新十両に千代栄(31)=九重=、西川改め豪ノ山(24)=武隈=、欧勝馬(25)=鳴戸=の昇進を決めた。

 都内の部屋からオンラインで会見した千代栄は「あぁ、上がったんだと。上がれなかったらまた頑張ってやろうと思っていた。よかったです」と喜びを口にした。

 京都府出身。高校までは柔道に打ち込み、相撲未経験で九重部屋に入門した。2009年初場所で初土俵を踏み、12年後半から幕下に定着。そこから約10年で念願だった関取の座をつかんだ。31歳11カ月での新十両は、戦後4番目の高齢昇進となった。「年をとっても諦めずにやったら上がれるんだなと。年をとったって上がれるんだぞというところを見せられた」と胸を張った。

 幕下では実に58場所を過ごした。「上位に来て1桁台になったら1勝6敗。最高位を更新したら1勝6敗」。何度も壁にはね返され「ヤバイな、もう年も年だし、そろそろなのかな」と心が折れそうになった時もあったが「でも相撲しかないよな」と思いとどまった。

 自己最高位の東幕下3枚目で臨んだ夏場所でも初日に黒星。また弱気の虫が出そうになったところで、師匠の九重親方(元大関千代大海)から「人生が変わる場所だぞ!」と活を入れられた。そこから4連勝するなど5勝2敗。「勝っていくごとに自信もついていった」と振り返った。

 入門時の師匠だった元横綱千代の富士の先代は2016年に死去。九重親方は「ようやく先代からお預かりした弟子を十両昇進にもっていけた。先代も気にしながら指導していた。ひと皮むけた千代栄を見せられてよかった」と感慨をにじませた。

 師匠からは「小結ぐらい行ってほしい」と期待をかけられた千代栄。「親方が言われているように、三役に入れるように頑張ります」と満面の笑みを浮かべて目標を掲げた。

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